カテゴリ:草外道( 309 )


2015年 06月 17日

コッヘル281番 サンマの苦いところ焼き

b0061413_22281367.jpg コッヘル280番のサンマの炊かず飯 は是非ともお試しいただきたい逸品であると改めて推奨させていただくが「サンマの本体は細かく切って温かいご飯と混ぜて数分間だけ蒸らすという最低限加熱によって大変な美味になってくれるとして、それではサンマの内蔵はどうしたらいいのか?」という質問をタレントの伊集院光が上田勝彦さんご本人がしていた。「そりゃ酒をかけて味噌とあえてネギかなんかを加えてサッと焼いたらよろしい」と答えていた。その豪快な言い方に伊集院光は「今の言葉はiPodに保存してたびたび聴きたい」と言っていたが同感だった。そこでコッヘルの登場である。今回はコッヘルというよりもシェラカップであるが、ここにサンマの内蔵を出して容器として、そしてそのまんま調理器具として、そしてさらにそのまんま皿として使うことができる。日本酒のおつまみとしてもご飯のおかずとしても「合わないわけがない」というものに仕上がっていて、私も上田勝彦さんの言葉を保存しておいてたびたび聴きたくなったぐらいだ。

マーヒー加藤

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by kaneniwa | 2015-06-17 22:37 | 草外道
2015年 06月 10日

コッヘル280番 サンマの炊かず飯

b0061413_22101522.jpg 『同朋新聞』という真宗大谷派(東本願寺)宗務所出版部発行の月刊新聞の今月号(6月号)に2面(2,3面)にわたって上田勝彦さんのインタビューが掲載されていた。最近、私にはいろんな分野で「年下の師匠」というべき人が増えてきたような気がしているが上田勝彦さんは直接の面識はないものの私にとって「ひとつ年下の魚料理の師匠」とさせていただいている。上田勝彦さんは漁師を経験した後に水産庁に勤務する。いわゆる「お役人さん」となった。(現職はウエカツ水産代表で東京海洋大学客員教授)まずは漁師さん経験者が水産庁に勤務するということが素晴らしいと思った。他の省庁でも天下りとは正反対の流れがもっとあっていいのではないだろうか?それはともかく魚を知っている上田勝彦さんのレシピは文化の結晶でもあり合理的でもあり「魚を食べてきたDNAも喜ぶ」という料理が多い。すでに水産庁勤務時代からの仕事である「魚を食べる文化を再興しよう」という一種の啓発活動、PR活動として作成された資料が水産庁に残っていた。 このなかの【炊くか炊かぬか“炊かず飯”】の項目を、上田さんの一切の無駄がない趣旨説明とレシピを引用させていただこう。 魚を用いた炊き込みご飯は、鯛飯などのように出来立てはおいしいものですが、冷めると急に生臭くなってしまうのが難点。これは、100 度以上の高温で長時間加熱することによって、冷めた時に脂が酸化しやすくなるからです。炊くときの調味料の合わせ方も悩ましいところ。そこで、炊き込まずに、調味料の分量も気にせずに、冷めても生臭くならない魚のご飯を伝授いたしましょう。① ご飯は研いで吸水させてザルに上げておく。② タイ、サワラ、スズキ、サケ、マグロ、カツオ、その他刺身の残りなどを 5 ミリ程度の粗みじん切り、粗塩と酒少量を加えて、干物程度の塩加減に調味しておく。なお、この状態でジップロックに入れて板状に伸ばして冷凍しておけば、流水で解凍するだけで、いつでも魚のご飯が楽しめます。③ 固めの水加減で飯が炊き上がったら、魚を飯の上に加え、玉にならないようざっくり切るように魚と飯を混ぜ合わせ、蓋をして 3 分置く。④ みじん切りのネギや大葉、三つ葉など、好みの香味野菜を加え、混ぜ合わせて再度蓋をして 1 分おけばできあがり。味が薄ければ薄口醤油で追加調味を。⑤ 1 回食べ終わったら、保温のままにせず別容器に移しておけば臭みも出ないので、翌日の朝食や弁当、茶漬けや、冷凍しておいて焼き飯などにも使えます。 これは揶揄するのではなくて賞賛の意味での「霞ヶ関文学」である。 このメニューは新サンマが出てくる晩夏から秋にご紹介させていただこうと思っていたのだがやってきた「魚の炊かず飯」のなかでも特にサンマが最高だったので紹介を少し早めた。2日間にわたってこの「サンマの炊かず飯」を食べてサンマ好きの私のサンマ観が見事に変わった。サンマは焼いて熱々のうちに食べるのが最高であると思っていたが「炊かず飯」の世界を知ってしまうと「焼き魚としてのサンマは確かにものすごく美味しいが、それは熱々から熱いまでを保つ間のほんの15分間ぐらいのタイミングで美味しいのであり、温いから冷たいものへと成ったらそれはあまり美味しいものではないものに変化していた」ということに冷静に気がつく。この「炊かず飯」は時間が経っても美味しさはまったく変化しない。熱々の焼き魚の魅力も私は一生捨てるつもりはないけれども「サンマでご飯」ということになれば私はこの「炊かず飯」をチョイスしていくことになるだろう。 最後に『同朋新聞』を読んで親鸞聖人と上田勝彦さんの共通点をひとつ発見した。インタビューのなかで上田さんは「単なる島の連なりに見える我が国は、実は六千以上の島からできていて、海岸線が米国や豪州よりも長い」と述べていらっしゃるのだが、親鸞聖人の国土認識もまた「粟散片州」(源空和讃・真宗聖典499ページ)なのである。

マーヒー加藤

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by kaneniwa | 2015-06-10 23:08 | 草外道
2015年 06月 02日

コッヘル279番 糸魚川ブラック焼きそば

b0061413_2344821.jpg ご当地B級グルメというと焼きそばが多い。何をもってしてB級と呼ばれるか?あるいは名のるのか?その定義はなかなか難しいが私なりに語ってみれば「紅しょうがを添える食べ物」と言ってしまっていいのではないだろうか?たこ焼き、牛丼、冷やし中華、とんこつラーメン、お好み焼きというあたりが思い浮かぶ。「紅しょうがを添える食べ物」という私のB級グルメの定義は、将来にわたっても辞書に載ることはないだろうが、たとえばチャーハンやちらし寿司といった作り方によっては大衆路線も超高級路線も大いにある料理においては、紅しょうがが添えられるか否かはA級かB級かの境目になりうるのではないだろうか?もちろんB級であるから劣っているとかランクが下であるというような論旨ではない。針状にカットした紅しょうがが指針とか羅針盤になりうるのではないかという話である。 新潟県の糸魚川市発の「ご当地グルメ」である糸魚川ブラック焼きそばのブラックの正体はイカスミである。スパゲッティなどのパスタ部門でイカスミというとB級ではなく、和食だってイカの塩辛の黒造りというと高級路線の方に入ってくる。 知り合いからそのセットをいただいたので作ってみる。付属の紅しょうがを添えるまではイカスミの黒、玉子焼きの黄色、青のりの緑(信号機と同じく青は緑なんだなぁ)の三色から連想したのはジャマイカ国旗の配色であった。そこに真紅の紅しょうがをコッヘル脇に添えてみたところエチオピア国旗のラスタカラーも加わって「おっ、レゲエじゃん、レゲエ!」となった。 私がイカスミのスパゲッティを年に10回食べるとして、こちらのイカスミ焼きそばは正直言って年に1回食べるか食べないかというペースだろう。それではこのご当地グルメはダメなのか?といえばそれは違う。たとえば夏フェスの屋台でイカスミパスタの屋台と糸魚川ブラック焼きそばの屋台が並んでいたとしたら迷わずに糸魚川ブラック焼きそばの方に行くだろう。そんな条件下では白ワインが合う方よりもビールが合う方をチョイスするに違いない。糸魚川で野外フェスがあればいいなぁ。それも、懐かしのレゲエサンスプラッシュが開催されるといいなぁ。その場の食事でジャマイカ国旗とエチオピア国旗の配色が合体したこの焼きそばは最高だろうなぁ。というわけで、この黒、黄、緑、赤の色彩鮮やかな焼きそばを食べながら脳裏に浮かんだのは糸魚川の深い深い青色をした海であった。

マーヒー加藤

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by kaneniwa | 2015-06-02 23:48 | 草外道
2015年 05月 27日

コッヘル278番 米粉蒸し餃子

b0061413_23361550.jpg 横浜中華街の聘珍樓の点心部門などの、餃子の皮が半透明になっていて高級具材のフカヒレやらエビやらが透けて見える感じの高級餃子というものがあるけれども以前から「その皮は米粉か、米粉と小麦粉のブレンドではなかろうか?」と、常々推測してきた。地元は米どころであって、もちろん米を材料とする米粉も副産物であるということを越えて名物となりつつあり、その地元産の米粉で具材はいつもの焼き餃子と変わらないものの「高級感ある皮が半透明の餃子」というものを試作してみた。「使われているのは米粉に違いないだろう」という私の思い込みが正しいかどうか、ちゃんとしたせいろ蒸しではなくてダッチオーブンの底に鍋敷きを敷いたものでの蒸し作業の合間にネットで調べてみると、どうも米粉は主流ではなくて浮き粉(貫雪粉や浮粉とも言うみたい)に片栗粉をブレンドしているものが多いという感じがして、急に蒸している最中のものを不安視することになってしまった。そして恐る恐るダッチオーブンのリッド(ふた)を開けてみた。限りなく透明に近いホワイトを願っていたけれども実際には透明とはなかなか言えない状態だったので気分の方がややブルーになってしまった。形も少し崩れている。しかし、味の方では狙った方向とはちょっと違うもののいい感じだった。考えてみれば「餃子とライス」というのは合わないわけがないので美味しい。お茶碗とか丼に盛ったライスがなくとも、皮が米粉なのでそのまんま餃子ライスを食べている感じ。ただ、私の感覚では普通の焼き餃子の時の酢醤油とラー油という組み合わせより酢醤油にカラシの方が合う感じだった。いっそシュウマイを米粉を作って「それだけで崎陽軒のシュウマイ弁当風」にすればよかったか? 私の京都での学生生活の期間は「餃子の王将」がものすごい勢いで京都市内を中心にチェーン展開している時期だったのでしょっちゅう餃子の無料券をもらった。それでよく餃子ライスをしていたことを思い出した。最初は高級感あふれる餃子をイメージしていたら、かなり違うイメージが出てきたなぁ。それにしても王将本社前で大東隆行社長が射殺された事件の犯人はまだ特定されていないなぁ。

マーヒー加藤

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by kaneniwa | 2015-05-27 23:59 | 草外道
2015年 05月 21日

コッヘル277番 グリーンアスパラガス「たもっちゃん」鴨肉のロースト添え

b0061413_2116341.jpg 北海道のお世話になっている方から「たもっちゃん」というブランドもののアスパラガスが届けられた。太さが細めのアスパラガスの10倍ぐらいある太くて緑色が鮮やかな逸品だ。ちょうど、学生時代に「たもっちゃん」という愛称だった友人が遊びに来ていたので、こういう偶然は大切にしたいと思って鴨肉のローストを添えて出す。夕食時まで軽くギターでセッションをしていたが、食事も即興的に見事なアスパラが加わってのセッションとなったのであった。普通ならば、鴨肉のローストにアスパラを添えるというべきだが「たもっちゃん」は見事に鴨肉の方を従えていた。適度な野菜らしい歯ごたえがあるものの実に瑞々しく、軽く茹で上げた時に投入した薄い塩味が内面の甘さを引き出していた。アスパラでパラダイス。明日ぱらアスパラなしでは暮らせなくなるほどで、あぁーすぱらしい!

マーヒー加藤

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by kaneniwa | 2015-05-21 21:40 | 草外道
2015年 05月 14日

コッヘル276番 筍のポタージュ・豆乳バージョン

b0061413_2324827.jpg 今年の筍の季節もどうやら一週間前に終わった。今年はコッヘル272番からこの276番までが筍料理であった。そのコッヘル272番の筍のポタージュからバターで炒めたタマネギを抜き、コンソメに代わって白だし、牛乳に代わって豆乳、生クリームに代わって豆乳ホイップクリームを使用した。この豆乳バージョンを作ってみようと思ったのはコッヘル272番が上手くいき、また作らねばと思った時にスーパーで生クリームのコーナーに「めいらく」(スジャータというブランド名で有名)の豆乳の生クリームを見つけたのがきっかけだった。正式な製品名はちょっと長くて「乳製品を使っていない豆乳入りホイップ」という。見た目はコッヘル272番のポタージュとそっくりである。写真を整理しながら、撮影した私でもよく見ないと違いがわからないぐらいだ。 しかし、見かけは同じようなものであるのにも関わらずに味は見事なまでに違う。シリーズの趣旨としてコッヘルにポタージュを注いではいるが、本来ならば272番は洋食器のスープ皿で提供すべきものだろう。真っ白なウエッジウッドの皿に筍の白とイエローの中間ぐらいの色がうっすらと浮かぶのがベストだ。それに対してこのコッヘル276番は洋食器のスープ皿は似合わずに木目調のものにしても塗り物にしても、和食器のお椀でなければいけない感じだ。そして272番はフレンチのコースのなかで、この276番は懐石料理のなかで映えつつ調和していくだろう。 毎回毎回のことながら、味のことを文章にするのは難しいなぁと思うのだが、272番はコンソメやバターや生クリームというフレンチを主体とした西洋的な伝統に基くテクニックを駆使しつつ「調理した」という感じ。276番は、もともと相性がいい筍と大豆(と思うなぁ)という素材を白だしの味と風味によって「調和した」という感じなのだ。 さらにもう一歩踏み込んで表現するならば272番は「筍を成仏させた」という感じ。この276番は「筍が往生した」という感じ。その違い、わかるかなぁ?わかんねぇだろうな?(このフレーズ自体、45歳以下にはわかんねぇだろうなぁ)

マーヒー加藤

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by kaneniwa | 2015-05-14 23:56 | 草外道
2015年 05月 10日

コッヘル275番 筍と糸こんにゃくの炒めもの

b0061413_23205798.jpg 今年も筍の季節は終わったなぁという感じがする。写真でストックしてある数品をブログ記事にしてあとは来シーズンを待つ。ただ京都の丹波地方の住職さんから教えてもらった「塩とおからを半々に混ぜたものを使って茹でてカットした筍を最長2年間保存させる方法」というものを昨年の今頃に恐る恐るひと樽だけやってみた。7ヶ月後の冬に取り出してみて「塩抜き」をしてみたところ、バッチリ鮮度を保っていて驚いた。そのひと樽は親鸞聖人ご命日の集いである「報恩講」(ほうおんこう)のお斎(おとき・会食)に全部使ってしまったのだが、今年はその保存料を倍増しておいた。4月や5月でなくても、冷凍保存ではない形ですべての季節に筍料理が食べられるかもしれない。もっとも京都長岡天神にある錦水亭(きんすいてい)という明治14年創業の筍料理専門料亭はかなりの昔から年中営業をしているはずだ。おそらく巨大冷凍庫ではなくて、この「塩とおからを混ぜたもの」で保存をしていることだと思う。錦水亭ではランチでも会席を頼めば一万円以上はするお店であるが、今年はその真似事ぐらいはできるかもしれない。 そんな保存が可能ならば常にリクエストされるようなお惣菜が、この筍と糸こんにゃくの炒めものであろう。作って置いておけば、いつの間にかなくなっている。筍のキンピラよりも少し味付けを薄めにしておいて糸こんにゃくをヌードル感覚でいただく。食物繊維も大量摂取である。ああ、これが年中作れたらいいなぁ。

マーヒー加藤

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by kaneniwa | 2015-05-10 23:40 | 草外道
2015年 05月 05日

コッヘル274番 筍のちらし寿司

b0061413_23302496.jpg 実は今日の夕刻に北海道からクール便で「たもっちゃん」という銘柄の太くてマッチョで瑞々しいアスパラが届けられ、ちょうど「たもっちゃん」というニックネームの友人が家に寄ってくれていたのでさっそくに調理をさせていただいた。そのアスパラがとても素晴らしくて、さっそくにブログ記事として投稿しようと思ったが、自分で作ったルールで「4月下旬から5月中旬までは筍の特集」と決めている。自分で作ったルールだから解除するのもいいのだが、こういう区切りを作っておかないとバックナンバーを整理する時に年間を通しての目印のようなものがなくなってしまうのだ。筍特集の時期が終わったら、すぐにアスパラの記事を投稿しようと思う。 というわけで筍のポタージュ筍のメンマ風炒めに続く今年の筍料理特集の第三弾は筍のちらし寿司である。筍を使ったご飯物といえば筍ご飯がまず思い浮かぶけれども、我が家での人気度でいえばそれを凌ぐ人気メニューである。具材としては筍、人参、卵と山椒の葉っぱだけである。いつもの自分であればここにさらに椎茸とかかんぴょうなどを煮たものを加えたり、あるいは海鮮ものを上にのっけててみたり、少なくとも刻み海苔ぐらいはさらに加えてしまうところなのだが、この状態で味見をしてみて「これでいいなぁ」と感じてしまった。自分で自分の作ったものの完成度を誇らしげに語っちゃったりしたらいけないのかもしれないけれども、何を足しても過剰になっちゃうし、逆にこのメンバーからどれかひとつが欠けても淋しくなっちゃうような気がした。一昨日、家族5人でこの状態の筍のちらし寿司を8合分、大きな寿司桶いっぱいに作ったのだけけれども1回の夕食で米粒がひと粒たりとも残さずに完食してくれた。完食、好感触。

マーヒー加藤

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by kaneniwa | 2015-05-05 23:59 | 草外道
2015年 04月 30日

コッヘル273番 筍(タケノコ)のメンマ風炒め

b0061413_20484065.jpg 筍のシーズンになると、何とか新鮮なうちにそれを料理しなくてはという先入観のようなものがあるのだが、ラーメンにつきものの「メンマ」というのは家族全員の好物であるなぁとふと思った。本格的なメンマというものとはちょっと違うとしても、まずはゴマ油で炒めるだけでけっこうその感じは出ると感じた。さらに醤油の他にオイスターソース、つまりは和食を基盤としつつも中華料理の方向にふってやると「これは筍のキンピラではなくてメンマのようなもの」と言えるようなものになってくれることに気がついた。これを作っておくとラーメンの時に重宝であることはもちろん、ラーメン屋さんでそうすることもままあるように、これだけをおつまみにしてビールを飲みつつプロ野球をテレビ観戦するという至福の時間を過ごすこともできる。

マーヒー加藤

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by kaneniwa | 2015-04-30 20:57 | 草外道
2015年 04月 25日

コッヘル272番 筍(タケノコ)のポタージュ

b0061413_6515010.jpg かつてマキシム・ド・パリ東京(銀座)のフランス人料理長が、筍(タケノコ)を使ったポタージュスープを作って好評を得たという話をどこからか聞いたことがあった。今年も筍の季節がやってきて、このコッヘルシリーズでも筍料理はすでに30作ぐらいを数え(素材別で断トツのナンバー・ワン)、毎年「筍料理はもはやネタ切れか」と思いつつ、年間を通じて筍料理のレシピには意識を向けているのでネタはまだまだ枯渇しない。「筍のポタージュか、よし、次の旬には作ってみるか」と、今年のお正月ぐらいからずっと思ってきた。 掘りたての筍を皮付きのままに大鍋で水から茹でて沸騰してから8分ぐらいで火を止めて、冷めたら皮を剥いて1センチ角ほどに切っていく。そして、普段は洗うのが面倒くさくてあんまり使わないフードプロセッサーをつかってきめ細かくする。中型の筍3本をそうやって、バターで炒めた玉ねぎにコンソメスープを加え、さらに塩と牛乳と生クリームを加えて弱火で煮た。最後にハーブとして境内に生えている山椒の木から葉っぱをいただいて手のひらの上でペシペシと叩いて香りを出してスープに浮かべる。 飲んでみて心底驚いた。いかに掘りたての筍を使ったとはいえ、こんなに鮮烈なスープがあったのか、と思った。ただ、筍であるという先入観なしでは何のスープかわからないと思う。コーンポタージとかビシソワーズ(じゃがいものポタージュ)に近い感じもするが、筍から濃厚な出汁のような成分がにじみ出るので、むしろクラムチャウダーを連想したりする。連想はするけれどもやっぱり違う。ただ、クラムチャウダーの貝を連想させる生命力を強く感じる。なるほど、フレンチのコースのなかで出てきてもその完成度は高い。牛乳に加えて生クリームも入っているので和風の要素はほどんどなくフレンチである。 私が「このポタージュスープは傑作だなぁ」というと、長男から「ポタージュはフランス語でスープの意味だから、ポタージュスープという言い方はおかしいよ」と注意される。なるほど「いにしえの昔」とか「危険があぶない」などという重複表現ということか。いいではないか、マキシム・ド・パリというパリ以外にあっては違和感がある店名(早稲田や青山学院など地名由来大学もそうだな)に「東京」だの「銀座」だのついているんだもの。

マーヒー加藤

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by kaneniwa | 2015-04-25 07:22 | 草外道