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草仏教ブログ

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2015年 10月 13日

コッヘル288番 いぶりがっこ

コッヘル288番 いぶりがっこ_b0061413_3315191.jpg いぶりがっこは秋田県の名物で囲炉裏の天井に近いところの鴨居などに大根を吊るして燻製状にしたものを米ぬかで漬け込んだ漬物である。昔は現在住んでいる寺院にも囲炉裏があったのだが今はなく、漬物のなかでは難易度が高い部類に入ると思う。この写真のものも自作ではなくてスーパーマーケットの漬物コーナーで見かけて嬉しくなってついつい買ったものをコッヘルに盛っただけである。(ただアウトドア用の燻製器などを使って自作実験はしてみたいと思っている)「スモーキーな漬物」というのは世界的にもなかなか珍しいかもしれない。日本酒を飲んでみたけれども、ついついウィスキーに替えてみた。サントリーオールドだった。今年のお正月に サントリーオールドってこんなに美味しかったっけ? という趣旨のブログ記事を書いたけれども、それから2回ほどサントリーオールドを買いに行ってあのダルマボトルが1300円ほどだったので「あれれ?サントリーオールドってこんなに安かったっけ?学生時代の半額以下になっていないか?」とも思った。おせち料理がおつまみなら、ベストマッチなウィスキーはサントリーオールドとお正月にはつくづく思ったが、いぶりがっこがおつまみであれば何だかさらにベストマッチ。サンキューベリーマッチ、ベイビー。まずは「野菜とはいえ燻製である」というところでウィスキーにある。ところがただの燻製ではなくて、そこにはやっぱり米ぬかの風味があるので和食だといえる。和食ではあるがちょっと他にはない逸品である。ひと言であらわせば「珍味」なのだが、その方向性はマニアック和食寄りではなくて別な方向へ行った珍味という感じだ。私には判断できないがウィスキー好きな外国人にいぶりがっこを試して欲しい気がする。もしかしたらウィスキーのおつまみとして一種普遍的なポテンシャルを秘めているのではないかとさえ思った。何となく「秋田の国際教養大学」が思い浮かぶ。

マーヒー加藤

コッヘルバックナンバー

# by kaneniwa | 2015-10-13 08:30 | 草外道
2015年 10月 11日

笑う門には福来たる のカドって何だろう?

1990年代の日本中央競馬会に珍名の馬を多く送り込んだ待兼牧場。
1998年当時のエース馬が マチカネフクキタル。
長女が生まれてきてまだ母子ともに産院にいる時に有馬記念があって、
1枠の1番にその マチカネフクキタル が入っていたので馬券を買った。
待望の子どもが生まれてきた気持ちとピッタリだったので記念に買った。
単勝は外したものの同枠に優勝したグラスワンダーが居てくれたので
ついでに買った枠番連勝の方が大当たり。
馬券のコピーをとって(今も捨ててはいない)換金して
それで退院までに家具類を配当金で揃えちゃった。

数年後、その長女に信じられないほどなつくシーズ犬がいて、
「フクちゃん」と呼んでいたのだけれども、
そのフクちゃんが亡くなった時に初めて聞いた名前の由来にビックリして
本名は競馬ファンの息子さんがフクちゃんが生まれた時に活躍中で大好きだった
マチカネフクキタルにちなんで本名を「フクキタル」と付けて
通称が「フクちゃん」だったのだ。

その時から
「笑う門には福来たる」
ということわざに思い入れをもつようになった。
「カド」って、いったい何だろう?
門松の斜めに切った竹が、人が笑っている口に似ているからという説をきいた。
それも一説として、自説を開陳すれば
「口角」の「カド」ではないだろうか。
口角を上げるほどに笑う口には口福があり幸福につながるとかつながらないとか…

「何か笑えることはないか?」を求め続けている人生である。
コメディ映画やお笑い芸人などのエンターテイメントの世界にそれを求めてもいるが
日常ではやっぱりシャラポア(妻・日本人)がダントツである。

基本は天然ボケで笑わせてくれる。
先日もある政治家の秘書が退職されたという話の時に
「長年、政治家の右肘として活躍したので…」 と言ったので
「わはは、それ、右腕と言うべきだろ、わははは」
と笑っている最中に自分の天然ボケに気がつきつつ
「あっ、間違いましたね、右膝でしたね、あっ左脇腹だったかな?」
というように本人も笑いながら次々に小ボケを叩き込んでくる。
彼女の連続ボケに対して素早くノリツッコミを入れていきたいのだが、
今のエンターテイメント界でも雨上がり決死隊の蛍原徹や
ハライチの澤部佑ぐらいのクラスでないと難しいと思う。


マーヒー加藤

# by kaneniwa | 2015-10-11 08:34 | 雑草
2015年 10月 09日

青空文庫で恐怖体験

iPadで読書をした時の恐怖体験。

今までも著作権切れの作品などが所収されたインターネットの
「青空文庫」でiPadでの読書をしてきた。
まず紙の本よりも優れているのは字の大きさや画面の明るさを
自分の意志で調整できることだ。

北大路魯山人の書いた文章などは128も「青空文庫」に入っている。
北大路魯山人などは一つづつ、ちょっと読み切るのにちょうどいいし、
名文でもあるので読みきれる。
読みきった後にiPadの電源を切るか、スリープ状態にしてしばらく時間が経つと
「青空文庫」のインデックスに自動的に戻っていた。
つまり、いつも読みきっていたので
「画面をタップしてメニューを呼び出し、閉じるを選ぶ」
というiPadで作品を閉じて自分の意志でインデックスに戻る方法は
知らずにいた。

岡本綺堂の作品群などは、やはりさすがの風格がこもった卓抜した文章での怪談であり、
それを寝床でiPadで読んで人差し指でシュシュッとページをめくるという行為自体に
シュールなものは感じたけれども、分量でいえば選んだ作品は読みきって電源を切って寝た。

問題は、昭和10年に発表された夢野久作の『ドグラ・マグラ』のiPad読書体験の恐怖。
探偵小説の奇書、異端文学史上の偉業、怪奇小説の奇跡など、色々な評価はあるが
学生時代以来聞いてきた評判は
「読み通したら正常な精神状態ではいられない」
というものだ。

噂どうりのさすがの迫力で『ドグラ・マグラ』の文章は迫ってきた。
これは深夜に寝る前に読むものではないなぁ…と思いつつ
作品を閉じようと思ったが、前述のとおりに私は「青空文庫」の閉じ方というものを
今ひとつ把握していなかった。
何となく、巻末までいけば閉じるメニューが出てくるような気がして、
ものすごい勢いでシュシュっとページをめくりまくっていたのだが、
そこでやはりさすがの名文にして奇文の極地のような言葉群が
人差し指の指先にねっとりと絡みついてくるような感触があり、
そこで必然的に目に入る奇妙な言葉のかけらが脳に刷り込まれてくるような、
とっても怖い思いをしてしまった。
何だか再び開くことをためらったままになってしまった。
最初の方しか読んでいないけれども『ドグラ・マグラ』恐るべし。

というわけで「青空文庫」を読むのをやめて、
今度は「青空文庫」に入っている作品を読み上げてくれるという
「音声文庫」というアプリを入れて、
そのお試し用の無料サンプルのなかの先頭にあった
太宰治の『人間失格』を選んでタップして
眠りに入ったのだが、
これまたカーナビの案内音声のような合成音の女性の声で朗読される
『人間失格』というものは、出だしから
「この文章は、こんなに怖かったか?」
と思わせてくれるほどにシュール過ぎて怖かった。

情けないことに電源を切ろうと思ったがわずかに手が届かない場所に置いてあり、
眠気の方が勝ってしまって、そのまま眠った。

音声の方は、無料サンプルだと15分間で自動的に朗読をやめたようなのだが、
夢の世界の方は、明け方に
「大都市のビルの谷間に竜巻がやってきて大勢の人々が巻き込まれる」
という、正夢には絶対になって欲しくない種類の悪夢を見て目が覚めた。


マーヒー加藤

# by kaneniwa | 2015-10-09 12:49 | 草評
2015年 10月 07日

大村智先生にはノーベル経済学賞もあげたい

ノーベル生理学・医学賞を受賞された北里大学特別栄誉教授の大村智先生は
寄生虫病に対する治療法と薬を確立したということだけでも
すでに大きな功績があるけれども、受賞を機に次々と紹介されるエピソードが
とても素晴らしい。

特に定時制高校の教員時代にテストを受けるためにギリギリに教室に入ってきた
生徒の手が油まみれになっていたのを見て「俺は何をやっているのか」と
奮起できる感受性と「金は貯めるより使う方が大事で難しい」という感覚が
とても素晴らしい。
実際に資金難である後輩の研究にポンと9億円を出したり、
コレクションの美術品を「若い人のために」と故郷の韮崎市に寄付をする。
教え子のなかから30人以上の博士を輩出した。

大概の人は宝くじで数億円を当てたりすると人生がブレると思うが、
「自分は食べていけるぶんだけ余ればいい」
とおっしゃる大村智先生のようになってはじめて数百億円あってもブレないのだろう。
是非ともノーベル経済学賞も併せて受賞していただきたいと思う。

私もブレない決意をしたので、今年の年末は宝くじが当たってほしい。

マーヒー加藤

# by kaneniwa | 2015-10-07 10:59 | 草評
2015年 10月 05日

コッヘル287番 サバサンド

コッヘル287番 サバサンド_b0061413_261610.jpg 「ヨルタモリ」という番組が一年間の限定だからクオリティが高かった面はあったとはいえ終わってしまったのは残念だった。私にとっては日曜日の夜が週末のようなもので、土曜日と日曜日は比較的に法事をやっていることが多く、日曜日の夜になるとちょっとホッとするところがある。深夜番組の「タモリ倶楽部」の方は学生時代以来のファンだから今でも主に録画で見続けているが「笑っていいとも」や「ミュージックステーション」などは私なりの違和感があってほとんど見てこなかった。学生時代は「今夜は最高!」の大ファンであり、テレビ局は違うもののその時の雰囲気があって「やっぱりタモリは夜遅くからの人」だと再確認した。「ヨルタモリ」でタモリ扮する「岩手のジャズ喫茶のマスターの吉原さん」というキャラクターのモデルは元カウント・ベイシー・オーケストラでドラムスを担当されていたこともある岩手県一関市でジャズ喫茶ベイシーを経営する「菅原さん」である。私は行きたいと思いつつまだベイシー詣でをしていないのだが菅原さんを知る人によると「しゃべり方や仕草、その思想までも含めて完璧なモノマネ芸になっている」とおっしゃっていた。 そのタモリ扮する吉原さんが、湯島のバーのママという設定の宮沢りえに伝授したのが食パンに焼き鯖を挟んだ「サバサンド」であった。カットしたフランスパンを使ってもいいけれども吉原さん(タモリ)が言うには「フランスパンだと歯を全部もっていかれてしまう怖さがある」ということで、私もちょっと同感。焼いた塩サバは新米が出まわる季節なので白いごはんと組み合わせたいところをサバサンドにしてみた。小骨はともかく大きな骨は取り除かなければいけないのがちょっと面倒だが、ビールやウィスキーと共にこういうのもいいものだと思った。

マーヒー加藤

コッヘルバックナンバー

# by kaneniwa | 2015-10-05 00:26 | 草外道