2009年 03月 18日
羅臼(らうす)町の熊の湯。北海道は無料で入れる温泉が多い。 露天風呂には違いないが、露天風呂というよりも野生風呂である。 そのなかでこの熊の湯は、脱衣所はあり、男湯と女湯に別れており、 野生風呂というよりは露天風呂と呼ぶにふさわしい。 道東の特に知床にいる時には、例の宗谷岬の 「日本最北端のガソリンスタンド」 の畳バスで宿泊した時の 情報などで 羅臼の高橋さんという林業をやっていらっしゃる方が 一定期間に自分の小屋を無料で開放し、 「寝袋で寝るなら自由に泊まっていいよ」 というところに泊まらせて いただいていた。 で、夕食はそこにいるメンバーが200円か300円を出し、 手分けして買い出しに行き、鍋料理などを作った。 その時、小屋には10名ほどが宿泊していた。 私は地元のジャガイモで、北海道の形をしたニョッキを 作成し、好評を博した。 お風呂は、オートバイでならわりとすぐの場所にある 熊の湯へと 行ったのである。 その熊の湯に隣接した、当時は無料のキャンプ場があった。 (現在は清掃協力金300円ということになっているらしい) 熊の湯の風呂上がりにそのキャンプ場をのぞいたら、けっこう そのキャンプ場での長期滞在者が何人もいた感じだった。 私が話しをした男の人は、3週間その場所のテントで過ごしていた。 「近くの羅臼川でヤマメはぼんぼん釣れるし、風呂は最高の露天風呂が 24時間いつでも入れるし、もうここを離れられないよ」 と言っていた。 うらやましく話を聞いていたのだが、さらによく聞けば、 その人は会社員であり、最初は5日間の早めの夏休みを過ごしに北海道に 来たのだが、この熊の湯を中心にした知床でのテント生活に入りこんで しまい、とうとう7月の大半を過ごしてしまったというのだ。 家族とも会社とも連絡をとっていないという。 もちろん、携帯電話なんてない時代の話だ。 世界中にそういう人はたくさんいるといえばいるのだが・・・ その小さなテントが現代の竜宮城であるともいえるし、 ちょっと変則的な出家生活ともいえるような気がした。 中国の古い(曇鸞大師なども引用しているのでとても古いと思う) ことわざで 「夏の蝉は春と秋を知らない」 というものがある。 同じ夏でも、夏しか知らないのと、他の季節を知ったうえでの夏は 意味が違うというご教訓だと思う。 北海道の夏しか知らなかった当時の私だった。 熊の湯で会ったあの人がまだそこに住んでいるとは思わない。 その年の秋、その年の冬を、あの人はどう過ごしたのだろうか? ただ、その時の熊の湯の周辺が、 「いつまでもここを離れたくないなぁ」 という雰囲気をもっていたことだけは共感できる。 マーヒー加藤 ※ もとになったアイヌ語と対応しているのだろうけれども、 礼文島には 「知床」 という地名があり、 知床の羅臼には 「礼文」 という地名があるのがおもしろいなぁ。 地図をアップしていての発見でした。
by kaneniwa
| 2009-03-18 08:00
| 草図
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