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2009年 04月 03日

名曲草鑑賞(12) つじあやの が歌う 西岡恭蔵の プカプカ

名曲草鑑賞(12) つじあやの が歌う 西岡恭蔵の プカプカ_b0061413_23354610.jpg つじあやの がウクレレ弾き語りで京都のいろんな場所でカヴァー曲を歌う COVER GIRL のKyoto Side の3曲目は 西岡恭蔵の プカプカ である。 プカプカの演奏場所が何と私が生まれ育った場所に近い法然院である。 あのあたりの森の深さと山の近さを感じさせるように、いろいろな鳥の声が入っている。 しかし法然院でプカプカとは、何ともおもしろい組み合わせだ。 獅子落としの近くで録音しているようで、曲の冒頭から41秒目あたりで水を蓄えた竹が石の蹲(つくばい)に当る音がする。次にその音がするのが2分11秒目あたり。すると法然院の獅子落としは1分30秒に1回の割合なのか・・・と、3分40秒目あたりに竹が石に当る音を待っていると・・・音はしない。 そのことを忘れた十数秒後に、3回目の獅子落としの音が入っている。 うーん、このタイムラグが実に感慨深かった。 水を蓄えた(水の音も入っている)竹が落ちてくるタイムは、クォーツ時計のような時の循環ではなく、たとえば年ごとの桜の開花時期が違うぐらいにファジーな時の循環なのだ。こういう時の流れというものもあるから計るだけの時間というものからたまには開放されるのかもしれない。




この歌はデュエットで歌われることはほとんどないように思うが、
(しかデュエットというのはおもしろい演出かもしれないなぁ)
歌のなかの人称が変化していく。 
変化しつつ、同じ曲のなかに返歌というものが入っているような
構成になっている。

たとえば1番は

俺のあん娘(こ)はたばこが好きで
いつもプカプカプカ 
体に悪いからやめなっていっても
いつもプカプカプカ


ではじまるが、
この後で歌い手は変わらずに歌詞世界のなかの
主人公は、そのプカプカやっている 「あん娘」 に
変化しての返歌があり

遠い空から降ってくるっていう
幸せってやつがあたいにわかるまで
あたいたばこをやめないわ


というように展開していくのだ。

この 「あん娘」 のモデルは、
西岡恭蔵の奥さんのKUROではなく、
現在は消息不明の伝説のJAZZシンガーの安田南だという。

「Some Feeling」 の、まさにたばこをプカプカやっているジャケット写真や、
750CCのオートバイに乗っている写真などを見ても、
そして時代性からしても、何だかこれ以上
「あたい」 という一人称が似合う女性はいない気がする。

ここで、もっと仮説を立ててみたいと思う。
男の方にもモデルがいるのではないか。

歌の男のモデルは劇団の研究生時代に安田南と接点があった
原田芳雄ではないだろうか。

原田芳雄もまた、この プカプカ をカヴァーしているのだ。

単なるイメージの遊びなのだが、安田南をもてあます原田芳雄の困った顔を
イメージしながらつじあやのの歌声を聞くと(複雑だなぁ)
とても味わい深いのである。

さて、このつじあやのが歌うプカプカを、
実はこの春休み中、車のなかでヘビィ・ローテーションでかけている。
パワープレイちゅうやつだ。

確かに覚えやすい歌であるのだが、長女(10歳)、長男(7歳)はもちろん、
末娘(2歳)までが プカプカ をリクエストしてくるのだ。
末娘なんて 「あん娘(こ)」 なんてアンパンのなかのアンコだと
思っているのに違いないのに、 プカプカぁ・・・ とリクエストするのだ。

そして、もうすぐ3歳ではあるけれども2歳の末娘が
♪ おれのアンコはタバコがちゅきで いちゅも プカプカプカぁ ♪
と歌い出すのだ。
この前、 「♪ 盗ちゅんだバイクで走ちりだちゅー ♪」
と尾崎豊の 「15の夜」 のそこの部分だけを歌い出して周囲を唖然とさせたが、
それと同等ぐらいに2歳の プカプカ も強烈だ。
10年早い。

しかし、プカプカ、ドゥビドゥビ、スタスタなど、
オノマトペ(擬音語・擬態語)が豊富なこの歌は、
ちょっとユーモラスなニュアンスもつじあやのによって強調され、
子どもたちにとっても実に魅力的らしい。

最近は、長男と長女にとっては替え歌のかっこうの題材となっており、

私のママは掃除が好きで いつもピカピカピカ
(長女作)

うちのパパはお馬が好きで いつもパカパカパカぁ
(長男作)

などといくつものバリエーションが生まれてきている。

マーヒーも、自分でこの歌をやる時には
替え歌にしてみたいなぁと思った。


マーヒー加藤

by kaneniwa | 2009-04-03 00:31 | 草音


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