2009年 09月 28日
というわけで、今夜も時間切れで完結しないかもしれない。ただ、徐々に出してきた伏線は読まれる方の想像のラインに交差しはじめていることであろう。 このNAIL(ナイル)の店内にはご覧のようにテレビが置いてある。主にインド映画がDVDで再生されており、それが店のBGMでありBGVとなっている。 リチャード・アッテンポロー監督の 『ガンジー』(1982年)がインドで公開された時、観客の不満で暴動寸前までいったという話をインド人から聞いたことがある。第55回アカデミー作品賞の脚本に事実誤認があるとか、史実と違うとか、主演俳優がインド系とはいえイギリス人だったからとか、そういう問題ではなかったらしい。上映時間が3時間の大作でありながら、その間、歌も踊りもお笑いもアクションもなかったことでインド人観客の欲求不満が爆発しそうになったということだ。 インド映画の定石(じょうせき)にしたがってガンジーを描くならば、やはりラストシーンは死んだはずのマハトマ・ガンジーがよみがえって棺のなかから飛び出し、いまだにエキストラ動員のギネスブック認定の記録である30万人の大群衆とともに 「♪ローング、リーヴ、カンジ~」 と歌いながら踊る大円団で終わらなければならなかった。このベタな世界がなければインド映画ではないのだ。もっとも 『ガンジー』 はインドが舞台(ロケ地)ではあるもののインド映画ではなかったのだ。 日本だって歌舞伎を見に行って登場人物が化粧もせず踊りもなく伴奏もなかったら、いかに現代劇の名演技をしていたからといって客は怒り出すに違いない。 インド映画でちゃんと見たのが 『踊るマハラジャ』 のシリーズぐらいしかない (それも大勢でツッコミを入れながら見たら痛快だろうけど、一人で見てもなぁ・・・) のにこんなことを語るのは不遜だが、植木等主演の映画などはインド映画的ではないだろうかと思う。 いいかげんな無責任サラリーマンがゴマをすって出世していくような物語はテンポ良く進行し、歌と踊りが要所で飛び出し、最後はサラリーマンたちがウエストサイド物語のパロディのようにネクタイ姿で踊り出す。インド映画的だなぁ・・・と思う。 NAIL(ナイル)を初めて家族で訪れた日、シャラポア(妻・日本人)はシュリンプ(エビ)のカレーの味に喜び、10歳の長女は今までにないお店の雰囲気とマイルドなカレーをナンにつけて味わうことを喜び、7歳なのに辛いものに強い長男は私と同じ辛さの羊肉のカレーに「すごい本格的!」 とはしゃいでいた。 そのなかで、3歳の末娘はラッシー(乳酸飲料)をストローで飲みながら、かなりの集中力でテレビ画面のインド映画をじっーっと鑑賞していた。インド映画が幼稚であるというつもりはまったくなく、高度な歌と踊りによって3歳でも理解できるほどの驚くべきほど幅の広い娯楽性を提供しているというべきなのだろう。何という映画なのかわからないが、オートバイで広場に集まった若い男女の群衆が映画のテーマ曲らしきものに合わせて踊る大円団シーンになって、3歳の末娘は意を決したようにテレビの方に向って走っていったのだった。 (まだ続く) マーヒー加藤
by kaneniwa
| 2009-09-28 23:40
| 雑草
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