2010年 01月 06日
今年もコッヘル。2010年の第一弾の101番、お節でも盛ればふさわしいようにも思いつつ、昨年に食べたもののなかから感慨深かったクジラ肉のステーキをとりあげたいと思っています。 というのは、多少のこじつけはあるもののこのコッヘル上から様々なメッセージを発することができるように思うからです。そのもっとも大きいものは 「仮想敵国などを作るよりも、積極的に友好国を作れ!」 というものがあります。クジラを食べる文化をともにもってきた、たとえばノルウェーあたりと鯨食文化を通じて積極的に仲良くなったらどうか?なんて思ってしまうのです。アメリカ合衆国とも、軍事基地の話もさることながらクジラの話を真剣にして欲しいなぁ。アラスカ州のエスキモー(アメリカ人)は文化として捕鯨してそれを食べることは認められているし、合衆国の捕鯨史をみれば、クジラから油を取って肉は海に捨ててきたのですから。調べてみると、日本に開国を迫ったので有名なマシュー・C・ペリーのお父さんも、そういう形での捕鯨の仕事をしていたみたいです。 昨年、クジラ肉が手に入りました。スーパーで買ったものですが、素性はよくわかりません。調査捕鯨というものから流れてきたものかもしれませんし、新聞の地方版で 「迷ったクジラが日本海に流れ着いて息絶えた」 という記事をその時期の直前に読んだような記憶もあやふやながらあるので、そいつがまわりまわって私のところに来たのかもしれません。 とにかく、脂身の塩漬けと缶詰の大和煮以外では久しぶりのクジラ肉でした。 私が京都の小学校に通っていた昭和40年代中盤はよく学校給食でクジラカツが出ましたし、その頃は家庭内で 「肉」 というと鶏肉とともに鯨肉がいちばんポピュラーであった気がします。 20年ぐらい前に京都の 「地球屋」 という居酒屋で15年ぶりぐらいにクジラカツを食べた時には、その味がよみがえらせてくれる小学生時代のいい思い出でいっぱいになってしまい、思わず追加注文しちゃいました。まさに鯨飲鯨食でした。 そして昨年、レアステーキで食べていいような状態のいい鯨肉を手にいれることができました。 最初に一部分、味付けは塩だけでも食べてみましたが、やはり子どもの頃のやり方の 「生姜醤油」 で食べた時には感動しました。 食べ物に関するブログ記事が多いのは私が食いしん坊であるということもありますが、プルーストのような文豪ではなくとも、こういった食べ物は消えそうな記憶を呼び覚ましてくれる媒体なのです。ちょうど今7歳の私の息子がそうであるように 「今晩の夕ご飯は何?」 と聞いて大好物であると 「やったぁー!」 と両手を上げて喜んでいたような頃です。私にとって、その大好物が鯨肉でした。 このコッヘル上のステーキを味わいつつ、某環境団体(ロシアの核廃棄物の海洋投棄をチェックするなどいいこともたくさんやっているのになぁ)に所属する友人を失ったとしても鯨に育んでいただいたありがたさを共有できうる友人を見出さねば、という意欲がわき起こってきました。そして、その輪をノルウェー人かアラスカ州在住アメリカ人か誰かわかないけれども、いつか広げていきたい、とも思っちゃったのです。 マーヒー加藤 コッヘルバックナンバー
by kaneniwa
| 2010-01-06 22:20
| 草外道
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