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草仏教ブログ

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2011年 07月 07日

ウィーンフィルとベルリンフィルの音色の違いが私のなかで明確になった

柄にもないと言われそうですが、クラシック音楽は好きです。
気まぐれで1年以上まったくクラシック音楽鑑賞をしない時期も
何度もありましたが、逆に妙に聴きこみたくなるような時期もあったりして、
かれこれクラシック音楽鑑賞歴は30年といったところ。

その、クラシック音楽のオーケストラの両雄である
ウィーンフィル(Wiener Philharmoniker ウィーンフィルハーモニー管弦楽団)と
ベルリンフィル(Berliner Philharmoniker ベルリンフィルハーモニー管弦楽団)
の音の違いが、ようやく私のなかで明確になりました。




私はプロの音楽評論家ではなく、
その違いがようやく分かるようになったからと言って
何の役に立つのか?と言われると微妙な問題ではあります。
イントロ当てクイズでもクラシック音楽のジャンルからは出題されることは
まずありません。あったとしたら「カルトQ」でしょう。
飲んでいる赤ワインがブルゴーニュかボルドーかの違いが分かる方が
よっぽど実用的で「すごい、ソムリエになれる」と賞賛されるでしょう。
「私は九州出身だから東北の地名がほとんど分からん」と言った
最近9日間だけ大臣を務めた方がいらっしゃいましたが、
ブルゴーニュやボルドーがフランスの地名であるということは分かりますが、
どこら辺かはまったく認識していません。
さすがに赤ワインと白ワインの区別ぐらいはつきます。
でも、目隠しをしたら赤ワインとロゼワインの区別がつけられる自信はありますが、
白ワインとロゼワインの区別が絶対につけられる自信はあやふやなぐらいです。
そんな私が、ウィーンフィルとベルリンフィルの音の違いが分かるのです。

私が外出先から帰ってくると、ラジオのFM放送(NHK)から
ピアノ協奏曲が流れておりました。
高級オーディオのFMチュナーからの音ではありません。
AIWAのラジカセからの音です。
しかもモノラルのあんまりいいラジカセではなく、ピアノの音は
レディオ体操(ラジオ体操)の伴奏の音質と遜色ありません。
そのバックのオーケストラを聴きながら
「うん、このオーケストラはベルリンフィルだ」
と私は断言いたしまた。

実は、ステレオ音源のステレオ放送であったならば
ウィーンフィルとベルリンフィルの違いを判別することは難しくありません。
もうオーケストラの配列そのものが伝統的に違います。
指揮者を野球の主審だとしてオーケストラを眺め、
打楽器のティンパニがレフトを守っているのがウィーン。
ベルリンのティンパニはセンターを守っていて、ベルリンのレフトは
ホルンが守っています。
ウィーンのホルンはどこにいるかといえば、前進守備気味にライトです。
トロンボーンとチューバはウィーンではショートを守っていますが
ベルリンはセカンドあたりの位置を守っています。
いちばん分かりやすいのがコントラバスとチェロで、
ベルリンはチェロとコントラバスが協力してライトの深いところを
守っていますが、ウィーンはバックスクリーン前に並んでいます。
ま、ストリングス(弦楽器)の低い音が向かって右側のスピーカーから
聞こえてくれば、まず「少なくともウィーンフィルではない」と断言できるのです。

でも、私はモノラルのラジカセの一つしかないスピーカーからの音で
「これはベルリンフィルだ」
と断言できたのです。
断言するだけなら簡単ですが、演奏が終わってNHKのアナウンサーが

ただいまの曲はベートーベンピアノ協奏曲題5番「皇帝」、
ピアノはマウリツォ・ポリーニ、クラウディオアバド指揮、
ベルリンフィルハーモニー管弦楽団の演奏でお届けしました


と言ったのでありました。
マーヒー加藤、普段はなかなかしないガッツポーズが小さく出ました。
小さいながらもマーヒー加藤選手がガッツポーズを見せるのは珍しいですねぇ。
大当たりでありました。
大当たりであったのに、皿洗いをしていたシャラポア(妻・日本人)は、
私の 「これはベルリンフィルだ」 の声をどうも聞いていなかったようです。
残念でした。
聞いていたとしても、それで尊敬されるというわけではなく
「あんた何でそんなことだけは分かるの?」
と、どっちかと言えば尊敬とはちょっと違うニュアンスの反応しかなかった
でしょうが、どうも音楽の方も私が言うことも聞いていないのは残念でした。

正直に言って、私はかかっていた曲が
「ベートーベンの皇帝」であったことさえ認識していませんでした。
冒頭から聴いていたなら、出だしの主題メロディは
坂本九の「上を向いて歩こう」にソックリなのですぐに分かったと思いますが
私が「これはベルリンフィル」と言った時点(妻の耳には入っていなかった)では
「どっかで聴いたことあるぞぉ」と「ベートーベンぽいなぁ」という程度の
認識しかありませんでした。
それでも、オーケストラはベルリンフィルだと分かったのです。

実は、このウィーンフィルとベルリンフィルの違いについては
昔からクラシックファンのなかで熱く語られ続けてきたことなのです。
フルトベングラーやカラヤンなど、この両オーケストラを指揮してきた人が、
その違いを自著のなかで言及したりしています。

その違いについて感覚的に
(フルトベングラーやカラヤンがこんなことを言っているのではありませんよ、
市井のクラシック愛好家の皆様のあくまで個人の感覚です)
「ベルリンフィルは東京っぽくてウィーンフィルは京都っぽい」
「ベルリンフィルは最新のポルシェでウィーンフィルはクラシックカー」
「ベルリンフィルは木綿豆腐でウィーンフィルは絹ごし豆腐」
(どうもこれはウィーンフィルの音が「絹の音」と言われることからの連想ですね)
「ベルリンフィルはアントニオ猪木でウィーンフィルはジャイアント馬場」
(数少ないクラシック音楽とプロレスの両方の鑑賞が趣味だった人の意見)
「ベルリンフィルはクワガタ虫でウィーンフィルはカブト虫」
(昆虫採集とクラシック音楽鑑賞が好きな人の意見)
などなど、多くの譬喩で語られ続けた問題なのです。

私の判別も、非常に感覚的なものです。
しかも、上の5つの感覚的判別よりも、よりシンプルです。

それでは長いブログ記事をじらすようにひっぱってきましたが、
私の判別法をようやくご紹介いたしたく存じ上げます。

音としては、やはりバイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスなどの
ストリングス(弦楽)に注意いたします。

このストリングスの音の塊が

ウィーン、ウィーン

という感じ(あくまで感覚ですからねぇ)で聞こえてくるのが
ウィーンフィルでして、
もちろん

ベルリン、ベルリン

という感じで聞こえてきたならば、それはベルリンフィルで
間違いないのではなかろうかと断言しすぎても
決して過言ではないことでしょう。



・・・・・・失礼いたしました。


それではここまで読んでいただいたお詫びとして
アコーステックギターのマーチンとギブソンの違いを教えます。
マーチン、マーチン と鳴るのがマーチンのギターでして
ギブ・ソン・ギ・ブ・ソン と鳴るのが


マーヒー加藤

by kaneniwa | 2011-07-07 23:38 | 草音


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