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2012年 10月 05日

コッヘル185番 金糸瓜(キンシウリ)の浅漬

b0061413_1142627.jpg コッヘル181番からしばらく浅漬ばかりを掲載してきた。漬物が日常の食卓で欠かせないものになっているとはいえ、漬物ばかりを食べていると思われるのも嫌だし、次のコッヘル186番からは通常モードに戻っていくつもりなのであるが区切りとなる漬物の一作を掲載しておきたい。今回、浅漬の食材は金糸瓜(キンシウリ)である。この野菜、全国的にどう呼ばれているのかはよくわからないが、私の地元では「いとうり」と呼ばれている。ところが、漢字で「糸瓜」と表記すると、これを「ヘチマ」と読むことになっているので説明がちょっと複雑になる。広い意味では確かにヘチマの仲間であるのかもしれないし、確かにネットで調べた限りは「ヘチマ料理」というのもあるみたいだが、金糸瓜(キンシウリ)はヘチマではない。金糸瓜を指さして「これはヘチマですか?」と問われれば、外国語の会話集みたいだけれども「いいえ、これはヘチマではありません」と答えることになると思う。どうも説明が難しいのでウィキペディアの説明に頼ると キンシウリ(金糸瓜、錦糸瓜、学名: Cucurbita pepo)は、ウリ科カボチャ属ペポ種に属する一年生の西洋カボチャの一変種。アメリカ大陸原産。ソウメンカボチャ(素麺南瓜)、ソウメンウリ(素麺瓜)、イトカボチャ(糸南瓜)ともいう。中国語では、「金絲瓜」簡体字:金丝瓜、拼音: jīnsīguā )のほか、ほぐした果肉がほぐしたフカヒレ(魚翅)に似ていることから「魚翅瓜」(簡体字:鱼翅瓜、拼音: yúchìguā )とも書く。とある。そういうことみたいだ。今回は金糸瓜と表記させてもらうことにする。


b0061413_1144493.jpg この金糸瓜がうちにやって来た経緯を説明するのも伏線から書かねばならないので少々めんどうである。読まれている方にとっても面倒だと思うのだが、味の深さにも関わってくることであるのでどうかご容赦いただきたい。まずは文部科科学省のホームページに行ってきて中学生職場体験についてちょっと調べたばかりである。うちの長女が二日間の「職場体験」を終えたばかりである。配属先というのか実習先というのか、とにかく体験をさせていただいた職場というのが地元の回転寿司の人気店であった。初日のいちばん最初、店長さんはうちの娘に「どうして職場体験先にうちを志望してくれたのかな?」と質問すると、娘は「希望したわけではなくて…くじ引きをして仕方なくここに来ました」と正直すぎる返答をしていちばん最初から店長さんにコントのズッコケポーズをさせてしまったという。ただ、ご迷惑もかけたかもしれないが彼女なりに一所懸命やってきたみたいだ。二日目の最後に「あんた高校生になったらうちでバイトしな」と従業員さんに言われ、店長さんが「いや、中学校を卒業したらすぐにうちで働きな」と付け加えてくれ、その言葉は娘にとって嬉しくて仕方がない言葉であったようだ。村上龍が『13歳のハローワーク』という書籍を出した前からなのか後からなのかわからないが「職」というものを通じて社会を知るということは、まさに13歳の娘にとって貴重なことであったことは間違いない。さて、この巨大な金糸瓜を労働を機縁にもらって来たのは中学生の長女ではなく小学生の息子の方であった。

b0061413_115751.jpg ここに「管轄」という概念を持ち込むとつまらないが、中学生の職場体験は文部科学省で小学生の息子が行ってきた2泊の「農泊」は地元の教育委員会が主導してくれたものである。地元の農家に数名のグループがホームステイをさせていただき、農作業を体験させていただくというものである。そこに息子が行く前にアドバイスさせてもらったことは一つだけ。「その家にお仏壇があれば手を合わせて頭を下げなさい」ということ。それがそのご家庭へのご挨拶になるだけでなく、お世話になる家を育んできた背景へのご挨拶にもなるからだ。「楽しかったぁー!」と言って息子が帰ってきた。その体験の象徴がこの黄金に輝く巨大な金糸瓜。調理法は色々とあるみたいだが、加熱する調理ではなくて浅漬にすることにした。大人の私でも金糸瓜の皮を包丁で剥きスライスしていく作業は手強かった。この固い野菜を漬物にするには何日間漬ければいいのか?と思いつつ色々な形状にカットしていき、愛用の添加物を使っていないタケバヤシ(埼玉県久喜市)の「ゆず風味」で漬ける。すると心配するでもなくその漬物液の醸造酢成分が金糸瓜の繊維質に染み入っていき、ほんの2時間でサクッとしたほどよいスナック感覚を残したままで見事に柔らかくなっていった。見事。色んな付加価値をあえて考えなくとも「予想外の漬物の逸品」という意味でもこれが今のところナンバーワンである。そして改めて付加価値も加味してみる。やはり働くということは尊い。自分が社会というものを必要とし、社会に自分が必要とされていることを知る。来週、家族全員で地元の回転寿司の人気店に行く予定である。


マーヒー加藤

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by kaneniwa | 2012-10-05 23:15


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