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2013年 02月 25日

失われた時を求めるラーメン(7) 新潟県三条市の「笹舟」

失われた時を求めるラーメン(7) 新潟県三条市の「笹舟」_b0061413_17102272.jpg 昨日、シャラポア(妻・日本人)と6歳の末娘が二人で昼食を荻窪の春木家さんでとってきた。久しぶりに東京の実家に末娘だけを連れて帰っていたのであった。私も妻も春木屋さんのファンであり、長女を妊娠中の15年前に食べて以来であるということを本人もよく覚えていた。日曜日であったが正午前に行ったので行列に並ぶ時間は15分だけで済んだという。ラーメンをいただきながら末娘が「美味しい!美味しい!」と言いつつ、こういうことを言って店員さんたちと周囲のお客さんたちをみんな笑顔にさせたという。「美味しいね、パパもこのラーメンがきっと好きだね、お姉ちゃんも好きだね、お兄ちゃんもきっと大好きだね、今度はみんなで来ようね」ちょっとジーンとした。そして東京都内の大繁盛店のなかで春木屋さんというのは驚異的な忙しさのなかで実に細やかにサービスが行き届き、そして子ども客にも実に優しくて親切だったなぁと思い返すのであった。 さて、今回は4年とちょっと住んだことがある新潟県の三条市の「笹船」(ささぶね)というラーメン屋さんについて書いてこの連載を一段落させたい。通常、この新潟県の三条市と隣の燕市の「三条燕系ラーメン」(隣の燕市では燕三条系ラーメンと言う)というのは太麺でこってり醤油味で背脂のトッピングが特徴である。新潟県の県央地域、特にこの三条市と燕市は多くの中小企業や工場があり、太麺や背脂など三条燕系のラーメンの特徴が生まれたのは「出前をしても冷めにくい工夫」であると言われている。(だたし今は出前をやっているお店は極めて少ない)私はその三条燕系ラーメンも好きなのであるが、漠然と「ラーメンが食べたいなぁ」と思った時の「ザ・ラーメン」がこの「笹舟」のラーメンであった。オーソドックスな醤油味のラーメンで、麺といいスープといい、おそらくいろんな技工や工夫が施されている逸品なのであるが、外連味を嫌いつつその技巧はいづれも決して出しゃばらずシンプルに徹して丼のなかにザ・ラーメンとして収められている感じがする。 このお店はかつてあった地方競馬の三条競馬場に近かった。(三条競馬場はなくなってしまい現在は乗馬クラブになっている)子どもがまだ長女一人だけだった時代、当時2歳から3歳頃のその長女に「動物園に行こうか?」(動物は一種類しかいないのだが…)と言いつつ散歩しながら競馬場に行った。中央競馬とは違ってパドックなどは馬に触れることが可能なほど間近で観察することができ、競馬新聞も買わずに馬を観察した上での直感とゼッケン番号と名前というだけの情報で馬券を買った。そういう買い方だと単勝式で買うことが多くなることもあってよく当たった。私の場合は競馬新聞などで前走(以前のレース結果)の順位や持ちタイムや血統などの情報を頭に入れても惑いや迷いがあってかえって当たらなかいみたいだ。ただ中央競馬で馬単(レースの1着と2着をその着順どおりに当てる)方式が導入される前にいち早く地方競馬で実施されていた時、パドックでいちばん良く見えた馬とその次に良く見えた馬を千円で馬単の一点買いをした。初めて買った馬単馬券であったが、その通りに1着2着となって的中した。オッズ(配当の倍率)もまったく知らないままに買ったので「もしも万馬券だったらボーナスをもらうような額になるぞ…」と緊張しつつ勝馬投票券を機械に入れると、2万5000円が出てきただけだった。馬単としては25倍ぐらいの、割合と本命路線だったようだ。それでも、パドックでの観察だけで一点買いで当てて気分が良かった。幼かった長女も、何だかよくわからないがパパが応援しているお馬さんたちが一生懸麺にかけっこをしていて、パパが応援している馬が勝ったという雰囲気がわかっていたみたいで喜んでいた。そんな「一種類だけの動物園」の帰り道、この「笹舟」さんに寄った。普段でも人気店であったので競馬の開催中などはなおさら混んでいたのであるが、ここも春木屋さんと同じく子どもにも優しいお店。そして、春木屋さんと同じく本格派であるが子どもにも「美味しい!」と言わせるような、そんなザ・ラーメンなのであった。

マーヒー加藤

失われた時を求めるラーメン(1) 天下一品のラーメン
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失われた時を求めるラーメン(3) 京都北山元町ラーメン(実践編)
失われた時を求めるラーメン(4) 春木屋(東京・荻窪)
失われた時を求めるラーメン(5) 天天有(京都市一乗寺)
失われた時を求めるラーメン(6) 京都モーニングラーメン

by kaneniwa | 2013-02-25 20:08 | 七草


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