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2013年 08月 03日

楠木しんいちさんと私のサウンド・オブ・サイレンス

楠木しんいちさんと私のサウンド・オブ・サイレンス_b0061413_21521547.jpg 楠木しんいちさんが村上市の米弥旅館(よねや)さんという旅館に泊まっているというので、10日ほど前に会いに行った。米弥さんはオールシーズン3000円であり若女将さんはブラジルのパラナ州出身の金髪美人。近くであるけれども今度、泊まりたいと思った。とにかく会いに行ってそのすぐ近くのバーでありライブハウスである「楽屋」さんに楠木さんをご案内することにした。楽屋のマスターの青山さんは京都の四条木屋町の「ろくでなし」というお店で働いていたことがあり楠木さんはそこをよく知っているので一度引きあわせたかったのである。 ブログに記することが遅れてしまって当日券のご紹介ということになってしまうけれども本日!8月3日の午後6時30分開場、午後7時開演で金沢市の湯涌温泉入り口にある金沢湯涌創作の森内の築90年の古民家を会場に「第3回 金沢 湯涌創作の森夕暮れ時コンサート」が開催され、京都の至宝・ロマンチックフォークの天才シンガーであるこの楠木しんいちさんも日本一のオートハープ奏者であり弾き語りをされる木崎豊さん、小松のマイク・シガーと称される西出慎治さんと共にご出演される。当日料金は  大人 2000円 中・高校生 1500円 小学生以下無料となっている。飲み物などの持ち込みは自由らしく、さらにビールの自販機があるというのも素晴らしい!同日のほぼ同時刻に本多の森ホール(旧金沢厚生年金会館)では郷ひろみのコンサートが催されるが、草仏教ブログの読者の方で金沢市周辺の方は是非とも「湯涌創作の森」の方に聴きに行かれていただきたい。 さてさて、10日前の「楽屋」さんでは深夜0時の閉店時間まで真面目なんだかふざけているのかどうも分からない音楽談義を楽しくさせていただいた。そのなかで楠木しんいちさんが「長年かけてサイモン&ガーファンクル(Simon & Garfunkel)のサウンド・オブ・サイレンス(The Sound of Silence)にようやく歌える訳詞を付けることができた」と嬉しそうに語ってくださった。サウンド・オブ・サイレンス、つまり「沈黙の音」というようなポール・サイモンの詩的矛盾表現がたまらなく好きだと語られた。この楠木しんいちさんに出会うまで、私は「和訳の歌詞で歌う洋楽」というものは好きではなかった。古くは「東京ビートルズ」であり最近(といっても10年前)では王様の訳によるハードロックや女王様(パッパラー河合)によるQUEENの曲のように、ツッコミどころ満載で笑うために聴く世界は別格として、それ以外では上々颱風の「Let It Be」が良かったなぁと思ったぐらいだ。平井堅の「大きな古時計」は1876年にできた曲で、保富 康午(ほとみ こうご)訳詞のバージョンが1962年に発表されてから年月を数えてもすでにスタンダードのなかのスタンダードとなっていてこれも例外的だ。しかし、楠木さんの訳詞による洋楽を何曲か聴いたら「洋楽に独自の日本語詩がつくのもいいなぁ」と思うようになった。そして楠木さんのギターはポール・サイモンのようにさり気なくて上手く、そして味があると常々思っていたが、詩の世界でもまたその音楽的本質のところで関わっていたのだと感じた。

私は、まだ楠木しんいちバージョンの「サウンド・オブ・サイレンス」を聴いていない。
聴きたいと思うが、聴いてしまったら自分の発想というものはしなびてしまう。
その前に自分の「サウンド・オブ・サイレンス」を書いておきたいと思った。

「沈黙の音」というほど詩的ではないが、
昔から関西人はよく使う
「琵琶湖で海水浴をしてきた」
という表現は、確かに和邇浜などには砂浜もあるけれども
淡水の琵琶湖には一種の矛盾表現であるとずっと思っていたので
それをタイトルとした。

私一人の発想だけでも難しいと思ったので
mixiとTwitter上で
「矛盾した日本語表現を求む!」
というちょっとおバカな公開質問をしたところ、
たくさんのご意見を頂戴した。
採択しなかった表現も発想を助けてくださったものとして
意見を寄せてくださった方々全員に感謝したい。

同級生の夢吉からは
「有給休暇って何だかヘンだ」
という意見をいただいた。
琵琶湖のお膝元、滋賀県の那由多さんからは
「海ではないのに海パンというのも矛盾だ」
「古書店、古本屋に置かれた新書というのも何だかヘンだ」
というご意見をいただき、
奈良のマシマロちゃんは
「点線」
という、わずか二文字にして、それをよく凝視しつつ
よくよく考えるならば、頭のなかに???と、
クエスチョンマークがいくつも並ぶ言葉を見つけて寄せてくれた。

それらの力を借りても、天才・楠木しんいちさんが長年かかったものを
私が一週間で書けるわけはないのであるが
現時点での詩的(ではないものもある)矛盾表現を集めた
「私のサウンド・オブ・サイレンス」
といえるものを書いてみた。

最初は『The Sound of Silence』のメロディに載せられることも念頭に作詞したが、
「どうも、かなりのムリをしなければ歌えない」
ということになって、改作して原曲の方は無視をすることになってしまった。
バカ歌ということになるが、近い将来に、このエッセンスのうちの何かを
何かのために使いたいとは思っている。






 琵琶湖で海水浴   作詞 マーヒー加藤&Friends

僕のラジカセに カセットは付いてない
ラジオも入らない

牛から落馬して 軽い重症になる
危険があぶない!
有給の休暇 退院を目的とする入院


まどろみに目覚め 輝く闇を見る
重い軽トラで 届いた大きな小包み
イワシのサバ缶、豚のビフテキ、ピーマンの焼き鳥、
そしてカセットのないラジカセ

海ではないけれど海パンをはいて
琵琶湖で海水浴
それはリアルな妄想
とてもにぎやかな孤独
ありふれた神話
思い出そうとしても忘れられず、
忘れようとしても思い出せない

過去に言った「今でしょ!」
坐禅をしていると立ちくらみ
ストップモーションというけれどモーションは止まらない
緑の黒髪は何色なんだろう?
点線は点なのに線なんだ

真夜中の昼寝は
明け方の夕立に起こされるまで続く

アマチュアのプロレスリング
固茹で伊勢うどん
和風の中華街

古書店に置かれている新書に書いてある
平和のための限定核戦争
強制的ボランティア 

古い新潟
オールド・ニューヨーク
ロサンゼルスは今日も日本晴れ
これらはすべて琵琶湖で海水浴

by kaneniwa | 2013-08-03 00:02 | 草音


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