2014年 02月 28日
今日は2月28日で、僧侶の同業者には忙しい人が多い。というのは、月忌参りといってご命日に当たる日にお参りに行く場合、31日がご命日の方の家の場合には、4月と6月と9月と11月には30日に併せてお参りをさせていただく。(うちの寺の場合です)2月の場合は、今日の28日に28日と29日と30日と31日が命日の方のところをお参りさせていただくということになって忙しくなる。閏年は一日分だけ余裕があるが、それにしても三日分となる。グレゴリオ暦は、4年に一度の閏年だけ一日分を加えて調整し、1年をデジタル的に365分割したものであるが、当たり前だが毎年2月は日が少ない。サラリー(月給)というものをもらっていた時代だけはこの2月が好きだった。28日間、あるいは閏年でも29日間という期間であるのにサラリーは31日間ある月と同じ月給が銀行にちゃんと振り込まれたからである。 さて、デジタル的なグレゴリオ暦をもとにしながらカレンダーがあり、日程表などがある。それをもとにデジタル的に何曜日の何日の午前あるいは午後の何時からこういう予定にしましょうね、と打ち合わせる。これが世の中のリズムになっている。こうでないと鉄道や飛行機やバスはダイヤを組めないし、テレビ局やラジオ局は番組表を作成できない。それはデジタル的な良さである。ただ、人間というのはデジタル的なものを使いこなせたり考え方ができうることは大したものであるが、生物として極めてアナログ的な部分もある。部分もあるというよりは、かなりの部分がアナログ的であり、ことに感性の部分はアナログ的なものが大半といってもいい。 さて、写真の腕時計は国産のムーンフェイズ(月齢表)付きのものである。昨年の東北楽天ゴールデンイーグルスのパ・リーグ制覇での「楽天優勝セール」で購入したものである。これだけが星野監督の背番号にちなんだ77%OFFでゲットできた。77%OFF製品は「数量限定ですぐになくなってしまっていた」という苦情が多かったのであるが、狙っていたBOSEのパソコン用スピーカーの77%OFFの購入をほんの少し躊躇してからクリックしたらすでに売り切れていて熱くなっていたところだった。だから衝動買いといえば衝動買いなのであるが、中世の文学はもちろんのこと明治に入ってからもしばらくの間までの日本人は「カレンダーはなくても空の月の状態はどうなっているかみんな知っていた」ということを薄々感じていたので 「江戸の刻」というちょっと変わったムーンフェイズ時計を購入するつもりでいたと妻(日本人・シャラポア)にも公言していたのであった。「江戸の刻」はなんせ和服にもバッチリ合うはずだし、毎月リングをはめ変えなければいけないのはちょっと面倒だが、和服にこの腕時計でキャバクラなどに行き「いけねぇ、もう丑の刻でぇ、そろそろおいとましねえと女房に怒られちまぅ、まあ今夜は満月だからお月様でも見上げながら帰ぇるかぁ」と言いつつキャバ嬢に小判(オモチャ)をチップに渡すということをしてみたかったのである。そういうわけで、元々ムーンフェイズ時計はずっと欲しかったのである。 25年ぐらい前だったと思うが、腕時計の世界でこのムーンフェイズというのが流行ったような時代があったような気がする。15歳のうちの長女などは当然それも知らないので「今日は月がキレイだったなー」なんてことを言ったら腕時計を見せて「こういう形をしていただろう?」と言うと「何それ?オッシャレー!最新式?」などと反応する。古いものは新しいということだ。ブレゲが18世紀後半に作った時計には、現在と同じ仕組みのムーンフェイズがすでに用いられているそうだ。今でもオメガなどのスイス製にたまにムーンフェイズ搭載のものを見かけるが、機械式はえらく高価であるのはもちろん重くなってしまう。(それがいい人にはそれでいい)私のは国産のクォーツで(それもグランドールなのでどこまでが国産か…?)大雑把にいえばカシオのG-SHOCKぐらいの値段である。しかも滅多に大幅値引きがされないBOSEのスピーカーとは違って、購入した後でのネットショップ情報を見ればけっこう大幅値引きもされている商品であった。それでも私はこのムーンフェイズ付きの腕時計をたいそう気に入って常用しつつ愛でている。先日、「何だか今日の宴会はずいぶんと盛り上がったなぁ」と感じつつ腕時計を見たら満月であった。実は月とのそういう相関関係を感じたことは特にこの腕時計をしてから実に多くあった。昔の太陰暦では祭りの日は満月の日に設定されていたことであろう。ただ、いいことばかりではない。ムーンフェイズ時計を腕にはめて新聞を読んでいると感じる(これはデータをとったわけではなくて感触に過ぎない)が、突発的な暴行、傷害、殺人事件というものも満月の日やその前後に多いような気がしている。さらにこれも個人的な感触でしかないけれども競馬で万馬券の大きいのが出たりするのも満月や満月に近いレース日が多いような気がしている。まあ人間の勝手な予想でオッズというものが出るので本命がコケやすいとわかっても万馬券の組み合わせなど無数にあるのでなかなか有効利用はしにくいけれども、この感触から「月を愛でた上での風流な馬券」というものもたまに買ってみたいという気はしている。 満月の夜のように月の引力が強い日には大陸が16センチほど浮き上がっている。どこかの地域がそうだというのではなく地球自身が微妙に「楕円形に歪む」ほどにそうなる。「16センチも浮き上がるなんてウッソだー!」と言われちゃうけれども海を見れば潮の満ち引きで数メートルも違っている。陸上、海上、海中を問わず多くの動植物がその影響を受ける。血液を中心とした水分でカラダの大半ができている人間がその影響を受けない方がおかしい。 今年は買いそびれてしまったけれども、来年は月齢表も付いている 農家日記 とか ヨガ手帳 なんかも併せて使うかもしれない。そして宴会や飲み会や馬鹿騒ぎのスケジュールはなるべく満月の夜に組み込んでいきたい。来年の今頃、私は狼男になっているかもしれない。 マーヒー加藤 草煩悩バックナンバー
by kaneniwa
| 2014-02-28 01:01
| 物草
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