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草仏教ブログ

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2006年 03月 13日

超訳徒然草・吉田くんのブログ(第18段)

人は己をつづまやかにし、おごりを退けて財をもたず、
世をむさぼらざらんぞいみじかるべき。
むかしより、賢き人の富めるは稀なり。

唐土に許由といひつる人は、さらに身にしたがへる貯もなくて、
水をも手してささげて飲みけるを見て、なりひさごといふ物を人のえさせたりければ、
或時、木の枝に掛けたりけるが、風にふかれて鳴りけるを、かしがましとて捨てつ。
また手にむすびてぞ水ものみける。いかばかり心のうち涼しかりけん。

孫晨は冬の月に衾なくて、藁一束ありけるを、夕には是にふし、朝にはをさめけり。
もろこしの人は、これをいみじとおもへばこそ、しるしとどめて世にも傳へけめ、
これらの人は、語りも傳ふべからず。

(吉田兼好法師 『徒然草』 第18段)

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人は、つつましやかになって、テングにならず、財産をもたず、
地位と名誉を欲しがらないというのがイケてるね。
昔っから賢人が大金持ちになるなんてことはマレなんだよ。

太古の中国で許由という人はね、所持品さえ何も持たなかった。
水も手ですくって飲んでいるのを人が見て、ある人がヒョウタンをプレゼントした。
けれどある時、木の枝にかけていたヒョウタンが風に吹かれて鳴ったので
 「うるせー!」 と言って捨てちゃった。
そして以前と同じく、両手を使って水を飲んだのさ。
実にさっぱりした心の持ち主だ。クールだねぇ。

孫晨という人は、冬の間の数ヶ月に寝具もなくてワラだけがあったので
晩はそこに寝て、朝になったら片づけちゃった。

昔の中国の人たちは、こういうことを立派だと思ったから書き記して記録にして
後世に伝えたんだと思うよ。

地位・名誉・財産の話ばっかりの日本じゃ、とても残りそうもない話だねぇ。

この日本て、鎌倉時代の日本っすよ。

BY吉田

by kaneniwa | 2006-03-13 02:14 | 徒然草


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