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草仏教ブログ

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2006年 07月 24日

ちょっと不思議なカブト虫の話

ちょっと不思議なカブト虫の話_b0061413_0113893.jpgこれから私が語るお話は、ちょっと幻想的なテイストはあるが、ノンフィクションである。なんせ、今も目の前に一匹のカブト虫がいるのだから・・・  つい先日の金曜日の夜、車に乗って家族5人で隣町の大型スーパーに出かけた。妻としては産後、久しぶりの外出。ちょうど生後満三ヶ月になる三番目の子供にとっては、ほとんど初めての夜の外出である。マーヒーとしては、翌日の土曜日に二番目の子供(息子)の通う幼稚園で大きなイベントがあり、そこでパパたちが中心となってたこ焼きを焼くので、ギリギリになってしまったが、その材料の買い出しが目的だったのだが、せっかくなので久しぶりの家族そろっての買い物ということになった。  私は広いロフト型の店舗のなかで、小麦粉やトッピング類など、けっこうある材料を吟味するために単独行動をとらせてもらった。妻は背中に赤ん坊を背中におぶって、4歳の息子と手をつないで買い物だ。7歳の小学2年生の娘は、待ち合わせ場所を決めて一人で文房具や玩具のコーナーを見に行った。

さて、今までは状況の説明で、お話のはじまりはその一時間後だ。

待ち合わせていたレジで、マーヒーとマーヒーの妻は単独行動をとっていた7歳の長女から、その時にはとても奇妙に感じた話を聞くことになる。「東京から来ている小学校三年生の男の子と仲良くなったんだけど、その子が私にカブト虫をくれるっていうの。○○ミートで待っているんだって」 と言うのだ。その男の子は、お母さんかお父さんといっしょだったのか?と尋ねると、娘は 「その子も一人で、1時間、ずっといっしょにいてすっかり友だちになった」 という。金曜日の夕食時あたりの時間帯であり、マーヒーはちょっと首をかしげてしまった。

とにかく、マーヒーとしては翌日の準備もあるので早く車に乗り込んで帰りたかったのだが、娘が懇願するので、その大型スーパーの精肉コーナーに行き、このなかに○○ミートという場所なり店舗なりコーナーがあるかどうか尋ねてみた。3人の従業員の人に尋ねたが、「ここに○○ミートなどという店舗はありません」 という答えがそれぞれ返ってきた。

ここでマーヒーに考えが浮かんだ。○○ミートのミートとは、meat(肉)ではなくてmeetなのではないか?アメリカでは物々交換のことをスワップ・ミートと言う。ロサンゼルスなんかでは運転していて時々 「スワップ・ミート」 という看板を見かけた。この大型店舗もどことなくアメリカ型だし、アイオワ州に本店があるアイスクリーム店舗も入っているし、きっとどこかにそういうコーナーがあるに違いないと思って総合案内所に尋ねたが、ここにはそういう場所は存在しないという。

「だって約束したんだよー」と泣きじゃくる娘を半分なだめ、半分叱責しながら車に乗り込んで帰ろうとしたその時、マーヒーの妻は素晴らしい推理を私たちに投げかけた。

 この大型スーパーまで、子どもが歩いて来れる距離の場所に○○ミートという名前のお肉屋さんが、もしかしたらあるんじゃないの?

それだ! ということで探してみれば、妻の言う通りに近くに○○ミートという看板を見つけ、その店のなかには娘が言う通り、たくさんのカブト虫を入れた虫かごのを持った小学3年生ぐらいの男の子がいて、けなげにも長時間待ってくれていたようだ。男の子はそのお肉屋さんのお孫さんで、マーヒーの娘が言う通り、東京から夏休みに入ってすぐに新潟にやってきて、次の日の朝からおじいちゃんの知っている畑の近くの秘密の場所でカブト虫とりを楽しんだのだという。娘は、その男の子から約束どおりカブト虫を一匹もらった。娘は、虫が嫌いだったはずなのだが、ニコニコしながらパックに土を敷いてもらってラップをかけ、キリで穴を開けた容器に入ったカブト虫を受け取って大事そうに抱えた。

家に帰ってきてから、娘はそのカブト虫に名前をつけた。

その、出会った男の子の名前だった。


マーヒー加藤

by kaneniwa | 2006-07-24 00:11 | 雑草


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