人気ブログランキング | 話題のタグを見る

草仏教ブログ

kaneniwa.exblog.jp
ブログトップ
2006年 08月 15日

超訳徒然草・吉田くんのブログ(第43段)

春の暮つかた、のどやかに艶なる空に、いやしからぬ家の、奥深く、木だち物ふりて、
庭に散りしをれたる花、見過ぐしがたきを、さし入りて見れば、
南面の格子皆おろして淋しげなるに、東にむきて妻戸のよきほどにあきたる、
御簾のやぶれより見れば、かたちきよげなる男の、とし廿ばかりにて、うちとけたれど、
心にくくのどやかなるさまして、机の上に文をくりひろげて見ゐたり。

いかなる人なりけん、たづねきかまほし。


(吉田兼好法師 『徒然草』 第43段)

超訳徒然草・吉田くんのブログ(第43段)_b0061413_10255740.jpg


それは晩春のころだった。のどかでホノボノした艶やかな空の下、
セレブっぽい家があって、その奥には木立も歴史があるようで、
庭に散ってしおれた花も、何だかそのまま見過ごしてしまうには惜しい気がしたので、
ちょっと中に入っちゃうと、寝室の南側は格子を全部下ろしちゃって淋しい様子だったけど、
東側に向かって、外に両開きになるタイプの戸が開いていて、そこのすだれの
破れた部分から覗いてみると、そのなかに年が二十歳ぐらいの美しく清らかな若者(男)が、
くつろいではいるものの、奥ゆかしく、そしてのんびりと落ち着いた感じで、
机の上に本をひろげて読んでいた。

ああ、どんな人だったのかなぁ・・・今でも探して名前ぐらいはしりたいなぁ。


超訳BYマーヒー

by kaneniwa | 2006-08-15 23:13 | 徒然草


<< セレンディピティ(serend...      思うようにはならない 成るようになる >>