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草仏教ブログ

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2007年 03月 30日

つり吉 に行きたい

ちょっとだけ知り合いという男同士が、ビールでも片手にする話は、
たまたま趣味が一致しているという場合を除いて、
次のような話題が多いのではないかと勝手に想像する。

車の話 
だいたいメカニックなものを好きな男性は多く、
そのなかで共通の話題になりやすいのが乗っている車や
欲しいと思っている車の話。
その車が家族構成やライフスタイルのようなものとも関連していることが
とても多いように感じる。

野球の話
最近はちょっと下火であり、30歳代半ばよりも若い人の場合、必ずしも野球は
特別なスポーツではない感じだが、それ以上の年代の男性は、
だいたいひいきの野球チームというものがあり、
そのひいきの野球チームが一致しなくとも少年時代に好きだった選手の話題や
放課後の草野球体験を語り合うことなどで盛り上がることが多い。

ラーメンの話
地方によってはうどんやソバなどの他の麺類が非常に強いところがあるが、
通常は日本の男というのはたいていラーメンが好きであり、
(醤油味に限るとか、豚骨がいいとか、好みにうるさい人は多くても、
ラーメン自体が嫌いだという人に、今まであまり会ったことがない)
ひいきのお店はどこだとか、麺は細い(太い)のが好きだとか、そういうことを
語りあって盛り上がることがよくある。

というわけで、先週にちょっとしたホームパーティがあり、
そこでちょっと知り合いの男同士の間で、非常に盛り上がったのが
3番目のラーメンの話であった。

その流れで、マーヒーは
「最近行ったラーメン屋さんで、これは美味しかったというところありますか?」
と尋ねてみると、非常に強い関心をもたざるを得ないコメントをいただいた。

 新潟県の川口町に、釣り堀があるんですよ。
 その釣り堀のオヤジさんがたいへんなラーメン好きで、
 その釣り堀の敷地にラーメン屋さんを出しちゃったんです。
 名前が『つり吉』という、何だかラーメン屋さんらしくない名前なんですが、
 そのラーメンが濃いめの醤油味で何とも美味しいんです。


マーヒーは、こういう、いい意味での「看板に偽りあり」
大好きなのだ。以前、うどんについて書いた時も、香川県でもっとも行ってみたい
うどん屋さんの一つに 谷川米穀店 をあげさせてもらった。
ここも、何となくうどんにとっては同じ炭水化物のライバルのような存在である
日本人の主食を扱う米屋さんが、当初はついでのように店先でうどんを出していたら、
そのうどんの美味しさが評判を呼び、現在は香川県のなかでも常に人気上位の
うどん屋さんとして知られるようになっている。

そういうわけで、この 『つり吉』 というお店には、ものすごい関心をもってしまった。

そういえば、この新潟県の川口町は、あの中越震災でもっとも大きな被害を受けた
地域の一つである。

とにかく、話を聞いた日にさっそくネットで検索をしてみた。
長岡市の歯医者さんが作っているホームページのなかで、この
つり吉についてのかなり詳細なレポートが記されていた。

たまたま(と拝察いたします)であるのかもしれないが、このレポートは
中越震災前と、震災後となっていることも、たいへん貴重ではないかと感じる。

正直言って、能登沖大地震が起こってから、わずかだが書き貯めもしていて
半ば慣習的にやっている『徒然草』の超訳と震災に少しでも関連すること以外は、
記事の更新をためらってきたのだが、この つり吉 さんのラーメンを見つめていて、
この「ラーメン一杯」のなかにも、何かが見えるような気がしてきた。

能登はもちろん、中越にも、まだまだ「日常」に帰れない人たちがたくさんいる。
この「草仏教ブログ」も、社会的な意見や大それた提言を述べることもたまにあるが、
多くは私(マーヒー)の素朴な日常をつれづれに書き散らしているだけなのだが、
その素朴な日常というものが、この上もなく貴重なものに思えてきた。


マーヒー加藤

※ つり吉の存在を教えていただいた、この話題のおかげで
   「ちょっと知り合い」→「かなり知り合い」となったTさんと、
   長岡市の姫ちゅさんに感謝します。
   姫ちゅさんのホームページですが、ラーメンの他に温泉や
   マラソンのことについて書いてあるコンテンツも、たいへん読み応えの
   あるものであり、楽しく、素晴らしいホームページであるように感じました。


 

by kaneniwa | 2007-03-30 22:42 | 草評


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