2007年 04月 02日
今出川のおほい殿、嵯峨へおはしけるに、有栖川のわたりに、 水の流れたる所にて、さい王丸御牛を追ひたりければ、 あがきの水、前板までささとかかりけるを、爲則御車のしりに候ひけるが、 「希有の童かな。かゝる所にて、御牛をばおふものか」 といひたりければ、おほい殿御氣色惡しくなりて、 「おのれ車遣らん事、さい王丸にまさりて得知らじ。希有の男なり」 とて、御車に頭をうちあてられにけり。 この高名のさい王丸は、太秦殿の男、料の御牛飼ぞかし。 此の太秦殿に侍りける女房の名ども、 一人はひざさち、 一人はことづち、一人ははふばら、一人はおとうしとつけられけり。 (吉田兼好法師 『徒然草』 第114段) 今 出川の大臣が嵯峨へ出向した時の話だが、 有栖川(実際の川でなくて地名)のあたりの水が流れている場所で、 もう三代続けて牛車の運転手をしている家系のさい王丸が 牛車のスピードアップをすると、牛の足で跳ね上げた水が、大臣の屋形式高級車の、 フロントまで飛び散った。 車の後部座席に乗っていた秘書の為則が 「このガキゃ~!こんなところでで牛を追ってスピードアップしやがって」 と言うと、大臣はいきなり不機嫌になっちゃって 「おまえこそドライブテクニックをさい王丸よりも知らねえだろ。マレに見る馬鹿たれだ」 と言って、車に為則の頭を打ちつけた。 この有名なさい王丸とは、太秦殿に仕えていて、 VIPが車に乗るときの専属ドライバーだったのだ。 太秦殿は仕えている女性の名前も、意味は不明だが全員牛にちなんだ 名前をつけていたといわれ、一人は「ひざさち」、一人は「ことづち」、 一人は「はふばら」、一人は「おとうし」だという。 超訳BYマーヒー
by kaneniwa
| 2007-04-02 21:30
| 徒然草
|
アバウト
カレンダー
メモ帳
カテゴリ
以前の記事
フォロー中のブログ
POP-ID通信。 あぱかば・ブログ篇 音楽の杜 あんつぁんの風の吹くまま about ・ぶん Tangled with... 私の旅はこんな旅 紅茶国C村の日々 梟通信~ホンの戯言 アメリカ南部ど田舎奮闘記 コードネームはG26 コンチェルト2号感動の毎日 陽射し mitsukiのお気楽大作戦 イヌの遠吠え 絵は、ふってくるかな散歩... お局のショールーム日記@... カンパーニュママの一眼レ... レゲエのある生活 shino-blue日記 不思議空間「遠野」 -「... 藪の中のつむじ曲がり 良い子はまねをしてはいけません Ro-menが好き! 湖彦山だより なんとかなるさ ちゃたろうな日々 All About 身辺雑事 WE HAVE TO... のんびりニイガタにっき イギリス ウェールズの自... 野球馬鹿の生活 すたっふ日記 ファビオからのお知らせ 好都合な虚構 アロマテラピー・アミティ... 盆の風だより3 殿村栄一の日記 ツジメシ。プロダクトデザ... そうだ、寺建てよ。 FC2ブログに移転しました 塩と胡椒 夭夭亭 クリシュナダイアリー いいあんべぇブログ いぬの虎鉄とキャンプな日々 久次郎さんブログ 最新のトラックバック
検索
その他のジャンル
ブログパーツ
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||