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草仏教ブログ

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2007年 09月 25日

朝になれば忘れる月の色の話 (1)

朝になれば忘れる月の色の話 (1)_b0061413_2341532.jpg小学三年生の娘が9月に入ってから「今年の中秋の名月は9月の何日になるのか?」と質問してきた。これに即答できなかった。昔、太陰暦を使っている時代はみんな月の状態が今どうであったのかを誰もが知っていたのだなぁ。月が強力な引力で海面を押し上げて潮の満引きをしていることは誰でも知っているが、人間の体うちかなりの部分は水分でもあるし、月の引力に人間が影響を受けないはずはない。太陽暦は整合性を中心にしたデジタル的なカレンダーで、太陰暦は月を基準にして人間に与える感性の方に忠実なアナログ的なカレンダーであると言えるのではないだろうか。
朝になれば忘れる月の色の話 (1)_b0061413_2345284.jpg
子どもからの風流な質問を大喜びするおじいちゃん(住職)が太陰暦も併記してある石屋さんからもらった日めくりカレンダーをめくりにめくって今年は9月の25日に中秋の名月といわれる満月になる日だと9月上旬に知った娘だが、どうもその目的は月見だんごというものを作ってみたかったからだということがわかった。  娘は夏の七夕の前に、小学校の行事に関連して願い事を書く短冊に将来の夢を書き、隣に親の感想を書くという宿題をもってきた。そこには「漫画家になりたい」という夢が書いてあったのだが、父親マーヒーはその短冊に軽い気持ちでマジックで「小説家にしておきなさい」と書いた。後日、その短冊も展示された小学校の参観日にその短冊が父兄の軽い失笑をかったことを密かに根にもつ娘と、最近、ちょっとまじめに将来の夢を話したことがある。夢に第一志望とか第二志望とか付けるのはそれこそ夢のない話だが、やはり漫画家になりたいのが第一で、その次にパティシエになりたい夢ももっているのだという。パティシエになりたい夢と関心が和菓子の方にも波及しているとも言えるし、8才の娘にとっては和菓子・洋菓子というジャンル分けは無意味であり、人の話題を喚起してなごやかにさせるものを作り上げたいということのようだ。ともかく、蒸す作業は母親の協力を得たようだが、上新粉を使って手作りの月見だんごを仕上げたのだ。その月見だんごの完成に喜んで刺激を受けたのが父のマーヒーよりもおじいちゃんとおばあちゃんであり、おじいちゃんはお彼岸中のスケジュールのわずかな合間をぬってススキをさがしてとってきて、写真のように整えてお月見の舞台をセッティングしたのだった。

(すぐに続く)

マーヒー加藤

by kaneniwa | 2007-09-25 23:36 | 雑草


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