2008年 10月 26日
なかなかポン酢の 「ポン」 について進展がないので、今回も助走ではあるものの、 「ポン」 についてのスタートを切っておきたい。 マーヒーは、結婚してもしばらくは『ビッグコミックスピリッツ』 という週間青年漫画誌を愛読していた。 そこに連載されていた10年ぐらい前の 『美味しんぼ』 の 「ポン酢の秘密!?」 という物語(コミックスでは第67巻)の前編を読んだ後、悶々とした一週間を過ごしてしまった。 その前編のストーリーをかいつまんで語ると、主人公の新聞記者である山岡はチャンコ鍋の取材に島高部屋に行く。そこには相撲部屋の後援会の役員である桁川がいた。その日のチャンコ鍋はタラチリだったのだが、徳島出身の桁川は、その鍋のためにスダチをたっぷりと用意していたのだ。 そこに、また別の後援会役員の早田がやってくる。大分出身の早田は「チャンコのポン酢にはカボスだ!スダチは直接魚にかけるのはいいが、ポン酢には味がとがっていて下品だ!」と言い出す。 口論する桁川と早田の間の仲裁に山岡が 「お二人ともずれています。俺の知っている料理店ではほとんど橙(だいだい)をポン酢に使っている」 と言い、 「スダチがポン酢に向いていないというわけじゃない。スダチは小さいから、店で使うのが大変だし、スダチのほうが高価だ。それが料理店でスダチが敬遠される大きな理由です。またカボスは大分では300年以上も前から栽培されていますが、東京や関西に広まったのはここ20年くらいで、まだなじみがない。それが料理屋で使われない大きな理由です」 と言って、スダチVSカボス論争の仲裁に成功する。 そこに相撲部屋への差し入れの猪肉をもって海原雄山(陶芸家・書道家で山岡の実父)がやってくる。 そのポン酢論争を聞いて 「偉そうな口をきいたな」 と山岡に皮肉を言う。 「ポン酢の常識を語ったまでだ」 と言う山岡に 「常識か。では、教えてくれ。ポン酢のポンとはなんのことだ」・・・このセリフでマンガの前編が終わったのだ。 マーヒーは怖かった。 「ポン酢のポンとはなんのことだ」 と問いかける海原雄山が夢のなかにまで出てきた。 後編が掲載されるまでの一週間は、 「ポンって何なんだ!」 とうなされながら寝汗をかいて目を覚ましたのだ。 マーヒー加藤 ※ カボスのポン酢の市販品はなかなか見かけませんが、 スダチはけっこう種類が出ています。 今回はそのスダチのポン酢のなかから、 キッコーマンの 「すだっち」 (写真1枚目) と ミツカンの 「かおの蔵 すだち三昧 ぽんず」 (写真2枚目) です。
by kaneniwa
| 2008-10-26 19:54
| 草料理長
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