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2008年 10月 29日

ポン酢のポンとは何か (5)  博多風鶏鍋と橙風味のポン酢

ポン酢のポンとは何か (5)  博多風鶏鍋と橙風味のポン酢_b0061413_547392.jpg マーヒーが一押しの市販ポン酢は何か? うーん、色々あって迷うなぁ。 ワイン通が自宅にワインセラーをもって色々とワインをそろえることに比べればはるかに少ない投資で済むので、いろいろな市販のポン酢というのをそろえてみた。 そのなかで、鍋料理をする時にはこれが欲しいなぁと思うのが写真の 橙(だいだい)の風味と香りを楽しめるポン酢である。 写真はミツカンのものである。 橙という柑橘類が、九州などとは違って比較的に身近ではないので市販品のありがたさを感じるというのも大きな要因だ。 これを使っていちばん美味しいと思えるものは何か?と考えて、うちの秋冬の時期の家族中の大好物である博多風鶏鍋を紹介したい。




ポン酢のポンとは何か (5)  博多風鶏鍋と橙風味のポン酢_b0061413_5482816.jpg 博多風の鶏鍋を作るのに、まずすることは手羽先を最低30分はフタをして煮込むことである。この博多風鶏鍋というのは、簡単ではあるが時間はかかるというジャンルに入る料理だ。手羽先は焼いて食べたりフライドチキンにしたりするのも美味しいが、博多風鶏鍋ではこの手羽先にダシとしての重要な役割を担っていただく。いや、正確にはダシとしての役割だけでなく、徐々に白濁してくるスープのなかに含まれるコラーゲンというのだろうか、そういう成分のおかげでそのスープの温度は水の沸点を超えてもさらに加熱していくような元気の良さを見せ、鍋全体の保温に関しても食べ終えるまで抜群の効果を発揮してくれるようなのだ。博多風鶏鍋に関しての手羽先は4番バッターにしてエースピッチャーである。

ポン酢のポンとは何か (5)  博多風鶏鍋と橙風味のポン酢_b0061413_5522037.jpg 手羽先を30分以上煮たらアクを取り、その日の具材を入れる。鶏鍋だから、手羽先以外の鶏肉、特にうちではもも肉がメインになることが多い。このもも肉などは、手羽先スープのなかでしばらく煮ているとトロトロになっていく。どういう効果かはわからないが、「これが本当にもも肉なのか?」 と思うほどの柔らかさに転換していくのだ。不思議なことに、そのままもも肉をたとえ30分間も煮たとしても手羽先のコラーゲン成分がコーティングのようなことをしてくれているおかげか、煮込んで肉が硬くなってしまうようなことはない。ちなみにここまでのところの味付けは軽く塩をふる程度である。基本的に水炊きであり、味は最後のポン酢がまとめ上げてくれる。

ポン酢のポンとは何か (5)  博多風鶏鍋と橙風味のポン酢_b0061413_5543665.jpg 本当に手羽先を煮込んでトロトロで熱くなったスープというのは不思議な作用をもっている。これは別の日の写真である。写真では分かりにくいかもしれないが、ある日にはあの硬い 砂肝 をこの手羽先スープに投入し、その時点から20分煮込み、さらに野菜などを投入してから10分煮込んだのだが、あの砂肝が驚異的に柔らかくなっていた。ただ単に煮込んだだけではこんなに柔らかくなるわけがない。手羽先マジックである。この手羽先マジックは小手先ではできない感じがする。この手羽先スープで煮込んだ砂肝鍋バージョンも、同じ鶏仲間ということもあって非常に良かった。スープにしても、砂肝からもダシが出ている。この日は最後に柔らかくなった砂肝のうちの数個を刻んで砂肝雑炊にした。 「万物はダシを出す」 というマーヒーの第一物理法則がここでも証明された。

ポン酢のポンとは何か (5)  博多風鶏鍋と橙風味のポン酢_b0061413_5583554.jpg 上から野菜をのせると写真では何の鍋を作っているのかわからなくなってしまうが、この博多風鶏鍋の場合に非常にマッチしてくれるのは、まずは何といってもキャベツ。それからモヤシだ。この日はキャベツとモヤシにニンジンをドサッとのせる。(エノキも入っているなぁ) 白濁した鶏のスープでキャベツを煮込むと 天下一品のラーメンのスープの味を少し連想する。 (天下一品は関西圏では大きなチェーン店になっているが、それ以外の地域にお住まいの方には分かりにくい表現かもしれない)  ダシを出してコラーゲン成分も存分に出してくれて充分にこの鍋の中心として貢献してくれた手羽先の本体も、橙風味のポン酢で食べると内部にまだまだたっぷりとうま味を残していることがハッキリとわかって最高だ。


マーヒー加藤

by kaneniwa | 2008-10-29 06:41 | 草料理長


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