2008年 11月 09日
主ある家には、すずろなる人、心のままに入り來る事なし。 あるじなき所には、道行き人みだりに立ち入り、 狐、ふくろふやうの物も、人げにせかれねば、 所えがほに入り住み、こだまなど云ふ、 けしからぬかたちもあらはるるものなり。 又、鏡には色かたちなき故に、萬の影來りてうつる。 鏡に色かたちあらましかば、うつらざらまし。 虚空よく物を容る。我等が心に念々のほしきままに來りうかぶも、 心といふもののなきにやあらん。 心にぬしあらましかば、胸のうちに若干のことは入り來らざらまし。 (吉田兼好法師 『徒然草』 第235段) 人が住んでいる家には、知らない人が勝手に入りこんでくることなんてない。 誰も住んでいないところには、通りすがりの人がやたら入りこんだり、 キツネやフクロウなんかが、人の気配で気が散るということがないから、 「いいところ見つけた」というような顔をして住着いたり、 木魂(こだま)という奇っ怪な形をした木の妖精までもが出没してしまう。 それから、鏡には色とか凹凸がないから、あらゆるものの姿がそのまま映る。 鏡に着色がされていて凹凸の形状があったら対象物が映るということもない。 空間というものは無制限だから、いろいろなものを包み込める。 私らの心のなかに、無数のことが浮かんでは消え、また浮かんでくるということは、 心というものに実体がないからだろうか。 家に主があるように、もしも心の中に主が住み込んでいたとするならば、 この胸中にそんなにたくさんの雑念なんかは入りこむ余地なんてないと思う。 超訳BYマーヒー
by kaneniwa
| 2008-11-09 22:11
| 徒然草
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